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「差引く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

差引くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
ってからは、お島が取かかった自分の仕事の興味が、段々裏切られて来た。職人の手間を差引くと、幾許《いくら》も残らないような苦しい三十日《みそか》が、二月《ふたつき....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
と、 蟠「馬鹿ア言え、貴様に貸す金を取ろうとは思わぬ、又是れから買う品物で段々差引くから宜しい」 と云うからそうと心得て居りますと、五月十五日にお客があるか....
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
なり》があの通りだからって寄越すめえ」 蓮「それは此方《こちら》で貸して手間で差引くといって悉皆《そっく》り私の物を貸して遣って習いに来ればもう占めたもので、....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
合、安二郎がそれを相当の値で買いとってやるのである。掛け金の額からは無論がちんと差引くから、あとでゆっくり安二郎が手続きして金をとればぼろい儲けになると、かねが....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
梅雨時になって虫の這入るような事は絶対にない。その代りなめし賃が高価《たか》い。差引くとあとは幾何《いくら》にもならないのを、今云ったようなわけで捨て売りにする....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
事が有っても困りますから、是を貴方へ預けて置いて、明日法事が有れば勤めてお布施で差引く」 永「黙れ、何だ二三百のお布施で埓が明くかえ、貸されぬ、うーん悪い処へ往....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
と咽喉をごくごくさして、口を開けるで、さあ、飲まっせえ、と注ぎにかかる、と幾干か差引くか、と念を推したげで、のう、ここらは確でござりました。 幡随院長兵衛じゃ....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
まだこれを決着しないものにする気なら、俺は折角奮発したのを後悔して、半クラウン位差引く積りだよ。」 「さあ、今夜は私の荷物をお解きよ、ジョーさん。」と、最初の女....
わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
は有り得ないので、なるべく死なゝい工夫。 機械力、これはマア仕方がない。これを差引くと、戦争はやゝスポーツに似てくる。急場々々に敏活な運動性、肉体の反応によつ....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
ひ制度で行かうぢやないか。二斗以上の純益は私のもうけ、二斗以下の日は私の給料から差引く。いかゞです」 「お勘定」 「いけねえなア。最上先生、たまに会つて、呆気な....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
終らなければならないものであるから、精一パイ準備しても、参会者の頭数やお供え物を差引くと、あとには白木のバラックと賃借りの幕が残るぐらいのものだ。 喜兵衛の葬....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の場合約一二四、〇〇〇と思われる国外死亡者の蓋然数を引いた二十年間の出生超過を、差引くと、一七八〇年の人口は七、九五三、〇〇〇でなく七、七二一、〇〇〇となる。そ....
百喩経」より 著者:岡本かの子
」 石膏屋のおかみさんが歯朶子に教えて呉れた。おかみさんは歯朶子に払う助手料を差引く代りに石膏置場の小屋を少し綺麗に掃除して呉れた。 「そうねえ。すこし塩をつ....
雪の夜」より 著者:織田作之助
カードに仕上げて、キャバレエの事務所へ届けに行くと、一組分買え、いやなら勘定から差引くからと、無理矢理に買わされてしまった。帰って雇人に呉れてやり、お前行けと言....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
い、東京へ帰る時にもまた相当のみやげ物を買って来なければならない。それやこれやを差引くと、本人の手に残るところは精々その半額にも足りないくらいだろう。それを考え....