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差支
「差支〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差支の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
した不安も感じた。
「じゃ一週間位はいてくれられるの?」
「はい、こちら様さえお
差支えございませんければ。」
「でも着換え位なくっちゃいけなかないの?」
「それ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
い景色かも知れない。』三浦『すると君は景色なら、少しくらい旧弊《きゅうへい》でも
差支えないと云う訳か。』私『まあ、景色だけは負けて置こう。』三浦『所が僕はまた近....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
ンドの調子に合せては絶えず頭を動かしていた。それは満足そのものと云っても、少しも
差支《さしつか》えない姿だった。僕は熱帯植物の中からしっきりなしに吹きつけて来る....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
なかったとしたら、あの日から己の心には新しい憎《にくし》みが生じたと云ってもまた
差支《さしつか》えない。そうして、ああ、今夜己はその己が愛していない女のために、....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
石が金無垢の煙管になって、どこへでも、持って行けるのが、得意だった――と云っても
差支《さしつか》えない。
そう云う次第だから、斉広は、登城している間中、殆どそ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
るんだが、………」
「宿は日本人|倶楽部《くらぶ》に話してある。半月でも一月でも
差支えない。」
「一月でも? 常談言っちゃいけない。僕は三晩泊めて貰えりゃ好いん....
「沼地」より 著者:芥川竜之介
さな油絵を一枚発見した。発見――と云うと大袈裟《おおげさ》だが、実際そう云っても
差支えないほど、この画だけは思い切って彩光の悪い片隅に、それも恐しく貧弱な縁《ふ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
りるのを常としていた。なぜまた毎日汽車に乗ったかと云えば、――そんなことは何でも
差支えない。しかし毎日汽車になど乗れば、一ダズンくらいの顔馴染《かおなじ》みはた....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
じめ》な調子を帯びた。この意味で、会話は、彼の意図通り、方向を転換したと云っても
差支えない。が、転換した方向が、果して内蔵助にとって、愉快なものだったかどうかは....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
も黒い暈《かさ》をとっている。しかし大体《だいたい》の目鼻だちは美しいと言っても
差支えない。いや、端正に過ぎる結果、むしろ険《けん》のあるくらいである。
女は....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
その人へ渡す品だったら、そこは君の働き一つで、ほかの勾玉を持って行っても、大した
差支《さしつかえ》はなさそうじゃないか。」
若者はまた口を噤《つぐ》んで、草の....
「少年」より 著者:芥川竜之介
》。今お母さんがはいるから」と云った。勿論父のいないことは格別帆前船の処女航海に
差支《さしつか》えを生ずる次第でもない。保吉はちょっと父を見たぎり、「うん」と素....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しい顔をするものである。尤《もっと》もその情熱なるものはパラソルに対する情熱でも
差支えない。
世間智
消火は放火ほど容易ではない。こう言う世間智の代....
「運」より 著者:芥川竜之介
った一人のおふくろに死別《しにわか》れた後で、それこそ日々《にちにち》の暮しにも
差支えるような身の上でございましたから、そう云う願《がん》をかけたのも、満更《ま....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
して、少し議論をした。どうせ暇つぶしにやる議論だから勝っても負けても、どちらでも
差支えない。その中に赤木は、「一体支那人は本へ朱で圏点をつけるのが皆うまい。日本....