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「差立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

差立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
召食って、大層御意に叶ったから、是非寄越してくれと誰かが仰有るもんだから取あえず差立てたんだ。御家風を存じないでもなかったけれども、承知の上で、君がたってと云っ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ることを知った。 「尾州の御先荷がもうやって来た。」 と言って見た。 宿継ぎ差立てについて、尾張藩から送られて来た駄賃金が馬籠の宿だけでも金四十一両に上った....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
らの達しでは、その藩においてこの際兵端を開くことは宜しくない、また幕府から援軍も差立てられ難い、而してかつて出兵の際の放火一件に関しては、その挨拶として使者を立....
興津弥五右衛門の遺書」より 著者:森鴎外
攻の時、関東に御出遊ばされ候三斎公は、景一が外戚の従弟たる森三右衛門を使に田辺へ差立てられ候。森は田辺に着いたし、景一に面会して御旨を伝え、景一はまた赤松家の物....
南国太平記」より 著者:直木三十五
でのう」 「一得一失とは」 「お前には判らん」 百城が廊下へ膝をついて 「まだ差立てませぬと、申しておりました」 「いかんのう――兵制を改めて洋式にしたので、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
朝の辰の刻(八時)までに川便でおくれという触《ふれ》がとどきました」 「すると、差立ての日は、その前日までわからなかったのですな」 「さようでございます」 「御....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
きならない。たぶん、杞憂《きゆう》ではあろうけれど、万一のためにどなたかひとりお差立てねがい、一家の生命の瀬戸ぎわをお護りくださるわけにはまいりますまいか、とい....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
なかじ》不動坊祐貞《ふどうぼうすけさだ》方《かた》へ押し入って召捕られ、伝馬町へ差立てということになったのが、それが鶴見の夜泊りで獄口《ごくぐち》を蹴って軍鶏籠....
志士と経済」より 著者:服部之総
相違ないから、密事を知らぬ諸国諸家が騒ぎ立てない今の内に、然るべき器量人を大阪へ差立てて、銀主から借りられるだけ借入れさせ、軍費の備をしておくこと肝要である旨。....
三国志」より 著者:吉川英治
なく、身に覚えない罪名のもとに、軍職を褫奪されてこんな浅ましい姿をさらして、都へ差立てられる身とはなってしもうた。……今思えば、わしもあまり一徹であったが、洛陽....
三国志」より 著者:吉川英治
に吏事をしておったから、曹操の顔も見覚えている。――幸いにも生擒ったこの者を都へ差立てれば、自分は万戸侯という大身に出世しよう。お前たちにも恩賞を頒ってくれるぞ....
三国志」より 著者:吉川英治
をかためてゆきたいという方針で――その証として、韓胤を縛りあげ、かくの如く、都へ差立てて来た次第でありまする」 陳登は、使いの口上をのべた。 曹操はよろこん....
三国志」より 著者:吉川英治
。 馬超は自ら剣を解いて、 「あなたの手にかかるものなら仕方がない。いざ、都へ差立てて下さい」 と、神妙にいった。 韓遂は、叱って、 「それくらいなら何も....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
間の鼬だの、小猿だのが、皆、ケチな兇状につまずいて、東海道筋から軍鶏籠で、江戸へ差立てになったと聞き、役人への反抗と、仲間の面当てに、 (よし、俺だけは、天下を....
大岡越前」より 著者:吉川英治
ら下の谷へ飛びこみましたが、追ッつけ、これも搦めて参りましょう。次々と、それらを差立てました故、あとは、ふたりの女賊のみと、われわれひとつ心の者だけが残って、辺....