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差等
「差等〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差等の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
すべき理由はどうしても発見できんのであります。この四つのうちに、重要の度からして
差等の点数をつけて見ろと云われた時に、何人《なんびと》もこれをあえてする事はでき....
「明暗」より 著者:夏目漱石
いながら、彼は常に親疎《しんそ》の区別をその間に置いていた。というよりも、遠近の
差等が自然天然属性として二つのものに元から具《そな》わっているらしく見えた。結果....
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
ではない。一日の事業でもない。 この条項を備えたる人にして始めて、この条項中に
差等をつける事を考えてもよいと思う。人力も人を載せる。電車も人も載せる。両者を知....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
でも、内々でもいいから、評価のあらわれるようにしなければなりません。この意味で(
差等をつけると云う意味)、この種の文学ではブルンチェルのいわゆる無取捨と云う事が....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
明語せしごとく、「自己の自由を枉げて公同の自由を伸ばす」との謂にして、貧富智愚の
差等にかかわらず人民みな平等に自由を享有することを指す。すなわち板垣伯のいわゆる....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
」である。一家総労働の農家では、主僕の間に隔がない様に、実の娘と養女の間に格別の
差等はない。養われた子女が大きくなっても、別に東京恋しとも思わず、東京に往っても....
「三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
冷静に米国ふうに事がらを処理していた。媚びず怒らず詐らず、しかも鷹揚に食品定価の
差等について説明する、一方ではあっさりとタオルの手落ちを謝しているようであった。....
「小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
ではやはり降灰の一種と呼ばれるであろう。 毎回の爆発でも単にその全エネルギーに
差等があるばかりでなく、その爆発の型にもかなりいろいろな差別があるらしい。しかし....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
直接関係のあるロンドン海軍軍縮予備会談が開かれようとしている。軍備平等権の確立と
差等比率主義の撤廃というスローガンを掲げた山本代表が、国民の景気のいい歓呼の声に....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
染性の強弱一様でないごとくに、本質を同じくする文明でも、時代によってその波及力に
差等がある。本質と伝播力とは必ずしも並行するものではない。しからばこの伝播力が何....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
する言葉|遣のあることを斟酌しないからである。官位に付随する尊敬、煩瑣なる階級の
差等、「御」とか、「せさせ給ふ」とかいう尊称語を除いてみれば、後世の型に囚われた....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
。授与過剰の物議よりは、まだしも授与過少の不平の方が耳触わりの痛さにおいて多少の
差等があるのである。 学位を狙う動機がたとえ私利や栄達のためであろうが、ともか....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
ろが大正の今日は、全く事情が変わりました。もはや国民と役人との間にはなんら知識の
差等がありません。国民は今や、役人の指導をまつことなしに、自由に考え自由に行いう....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
をいかにも/\美しく平させ、無双の蘆屋釜を自在にかけ、雲脚をばこしらへて、茶椀水
差等をば、いかにも下直なる荒焼をぞもとめける。其外何にても新きを本意とせり。我身....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
むることあたわず。上帝を信ずるものと信ぜざるものと、苦楽の境裏を来往するに寸分の
差等あることなし。ゆえに、人をしておのずから上帝の威徳を怪しみ、これに対して礼拝....