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差込み
「差込み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
差込みの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
薬前薬後 盂蘭盆の迎い火を焚くという七月十三日のゆう方に、わたしは突然に強い
差込みに襲われて仆れた。急性の胃痙攣である。医師の応急手当てで痙攣の苦痛は比較的....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
城が受話器を取り上げた時だった。法水は何と思ったか、その紐線に続いている、壁の|
差込みをポンと引き抜いて、それを伸子の掌の上に置いた。そうしてから、唖然となった....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
むるにも足らざれども、余は此言葉に依り宛も稲妻の光るが如く我が脳髄に新しき思案の
差込み来るを覚えたり、一分の猶予も無く熱心に倉子に向い「では内儀犯罪の夜に此犬は....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
。お竹は過越し方を種々思うにつけ心細くなりました、これが胸に詰って癪となり、折々
差込みますのを宗達が介抱いたします、相宿の者も雪のために出立する事が出来ませんか....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
で被入っらしゃるから」 こう隠居も気軽な調子で言った。地主は煙管を炬燵板の間に
差込み、冷酒を舐め舐め隠居の顔を眺めて、 「こういう時には婆さんが居ると、都合が....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
床の間はしゃれていて、小さい穴が一つ有って、そこから夜中には風、朝になれば朝日が
差込みます。今夜はそこを塞がなければなりません。目じるしに今は細くさいた原稿紙の....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
って、歩いていたようだけど……) と、いうあたりまでくると、芳夫は、窓ぎわの、
差込みのソケットのあるほうへ行こうとした。坂田の足がのびだしてきて、重いドタ靴で....
「ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
》はしいんとしている。内部から鍵が掛っているのでマダムは、髪《ヘヤ》ピンを鍵穴へ
差込み、鍵を向うへ落して置いて、自分の持っている親鍵でドアを開けた。 同時に、....
「薬前薬後」より 著者:岡本綺堂
草花と果物 盂蘭盆の迎い火を焚くという七月十三日のゆう方に、わたしは突然に強い
差込みに襲われて仆れた。急性の胃痙攣である。医師の応急手当で痙攣の苦痛は比較的に....
「放水路」より 著者:永井荷風
薄暮の全景に悲壮の気味を帯びさせている。夕陽は堤防の上下一面の枯草や枯蘆の深みへ
差込み、いささかなる溜水《たまりみず》の所在《ありか》をも明《あきらか》に照し出....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
た。見て参りましょう。」 女中が立ちかけた時、駒田は上着のかくしへ大きな紙入を
差込みながら、表梯子を上って来た。駒田は商売の取引ならば待合でもカッフェーでも何....