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已め
「已め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
已めの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
を書いて上げたかったから、そうしてこの手紙を書くにはまだ時機が少し早過ぎたから、
已めにしたのです。私がただ来るに及ばないという簡単な電報を再び打ったのは、それが....
「青年」より 著者:森鴎外
験をしている。君と僕との間には金銭上の関係を生ぜさせたくない。どうぞその事だけは
已めてくれ給え」と云った。瀬戸は驚いたような目附をして己の顔を見ていたが、外の話....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
としての精神主義を通過することによって、之まで述べた漠然たる復古主義であることを
已めて、ハッキリと限定された精神主義・日本精神主義・として、一つの政治観念にまで....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
閂にも異常はなかった。彼は「馬鹿々々しい!」と云おうとしたが、口に出し掛けたまま
已めた。そして、自分の受けた感動からか、それとも昼間の労れからか、それともあの世....
「不周山」より 著者:井上紅梅
ち乳白色の雲煙が立ち罩め、彼女はようやく気を鎮めたが、その小さいものも、もう啼き
已めていた。 「あわ、あわ!」と、彼女を呼ぶものがある。 「まあ、可愛らしいこと....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
きていて
こんな風にあなたと高尚なお話がいたしたいのでございますが、
さようなら
已めましょう。明日は復活祭の初の日でございます。
それを機としてまた二つ三つお話....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
自覚を持っているくせに、絶えず体じゅうが細かく、不愉快に顫えている。どんなにして
已めようと思っても、それが已まない。 いつもと変らないように珈琲を飲もうと思っ....
「それから」より 著者:夏目漱石
時でも一種の不安に襲われる。たまには我慢するのが厭《いや》になって、途中で返事を
已めてしまう事がある。ただ平岡の方から、自分の過去の行為に対して、幾分か感謝の意....