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巷間
「巷間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巷間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ツ休戦申入れをめぐって、英米ソの間にまた一波瀾ありそうだ。 ◯ドイツ亡ばんとす。
巷間「ドイツはかわいそうですね」「ヒットラー総統はあそこまでやったのに」「ドイツ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
いう事であるが、しかし、僕にはそのようには思われない。いまはかえって、このような
巷間無名の民衆たちが、正論を吐いている時代である。指導者たちは、ただ泡を食って右....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
ての知識は、現在|纏《まと》められた書物が無く作家独自の研究によらねばならない。
巷間民間の歴史に就て、日本の史学者の値は零《ゼロ》である。極く初歩の参考書を云う....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
・バルフォア」漸《ようや》く快調。 キューラソー号入港、艦長ギブソン氏と会食。
巷間《こうかん》の噂によれば、R・L・S・は本島より追放さるべしと。英国領事がダ....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
その残酷|面《おもて》を外向《そむ》けしむるものが多かった。洒落を生命としていた
巷間の戯作は、江戸風のいわゆる通人生活の描写から、悪ふざけが嵩《こう》じて遊里の....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
、金博士が日本軍に対し、博士の発明になる驚異兵器を融通されたる結果であろうという
巷間の評判ですが、どうですそれに違いないと一言いってください」 「と、とんでもな....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
で以て現実の実際問題を解決出来るという、故意の又無意識の想定なのである。之も亦、
巷間からブルジョア・アカデミーの回廊にまで及ぶ現象である。――例えば権藤翁におけ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
士の方だけを検討したいと考えるものだ。
或いは、仮に夫が同じテーゼに終っても、
巷間の常識と、哲学的に綿密な理論による結論とを、まるで同一視するのはひどく乱暴で....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
に於て民衆として存在するものは、民俗学的な、土俗学的なものでしかないのだ。市井、
巷間に横たわるものが民衆ということである。今日の社会用語で、人民と呼ばれ、民衆と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はないが、それにしても、一応食物を分析した上でなければ科学的の立証はできないが、
巷間《こうかん》の伝説に従えば、左様の例は決して無いことではない。 茸のために....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
くとも、ともかくも自分の関心せずにおられぬ活きた人生の実践的問題がとりあげられ、
巷間の常識ではそのままうち捨てられているのに、ここでは鋭い問いを発し熱心に討究さ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
よりも多く身の毛をよだててくれるのが、父親たる天皇自身でなければならないだろう。
巷間伝うるところによれば、天皇は聡明であり、軍部に対しても、釘をさしたというが、....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
人というものは、酔いっぷりや、酔って言うことが概して似たりよったりのものですね。
巷間いたるところにこれ式の酔漢の愛情を見かけることのできる性質のもので、当時二十....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
よって多く出したりする。それだけでみると随分変な奇態な外観を呈している。仮装は、
巷間之をフランス装という程、フランスの本は仮装が多い。仏蘭西では所蔵家が自らさせ....
「料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
ないんだし、あれでちゃんと一流のすしやになりきるんだと思うね。 *
巷間ありふれた中国料理を是認してみたり、トンカツという大味なものを食って、なんの....