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巻
「巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ゃないか?」
18
角《かど》から見た煙草屋の飾り窓。
巻煙草の缶《かん》、葉
巻の箱、パイプなどの並んだ中に斜めに札《ふだ》が一枚懸って....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
――これがその仔細の全部であった。しかし血に染んだ遺書の中には、もう一通の書面が
巻きこんであった。甚太夫はこの書面へ眼を通すと、おもむろに行燈をひき寄せて、燈心....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
かな顔をしている。
刑場のまわりにはずっと前から、大勢《おおぜい》の見物が取り
巻いている。そのまた見物の向うの空には、墓原の松が五六本、天蓋《てんがい》のよう....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《あかる》くなった洋一は、顔は叔母の方へ近づけたまま、手は袂《たもと》の底にある
巻煙草の箱を探っていた。
「そら、そこに東枕にてもよろしいと書いてありますよ。―....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
しい。そう云えば「こんたつ」と称《とな》える念珠《ねんじゅ》も手頸《てくび》を一
巻《ひとま》き
巻いた後《のち》、かすかに青珠《あおたま》を垂らしている。
堂内....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
い合わせた同僚にも格別異状などは見えなかったそうである。が、一段落ついたと見え、
巻煙草《まきたばこ》を口へ啣《くわ》えたまま、マッチをすろうとする拍子《ひょうし....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
二
……一時間ばかりたった後《のち》、手拭《てぬぐい》を頭に
巻きつけた僕等は海水帽に貸下駄《かしげた》を突っかけ、半町ほどある海へ泳《およ》....
「運」より 著者:芥川竜之介
烏帽子《もみえぼし》をかけたのが、この頃評判の高い鳥羽僧正《とばそうじょう》の絵
巻の中の人物を見るようである。
「私も一つ、日参《にっさん》でもして見ようか。こ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
婆さんに、占いを頼みに来たのだがね、――」 亜米利加人はそう言いながら、新しい
巻煙草へ火をつけました。 「占いですか? 占いは当分見ないことにしましたよ」 ....
「初雪」より 著者:秋田滋
た。聞えるのは、ただどうどうと落ちる雨の音ばかり。眼に見えるものと云っては、渦を
巻いて飛んでいる鴉の群だけである。その鴉の群は、雲のように拡がると見る間に、さっ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
東京へ着して三四ヶ月の分とて三十円、母が縫いて与えられし腹帯と見ゆる鬱金木綿の胴
巻に入れて膚にしっかと着けたり。学校の教師朋友などが送別の意を表して墨画の蘭竹ま....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
頁にわたる。けれども電気磁気に関する重要なる論文は、「電気の実験研究」と題する三
巻の本におさめられ、電気磁気以外のおもなるものは、「化学および物理学の実験研究」....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
や泡が静かにたゆたっていたり、あるいは、波止場にでもついたかのようにゆるやかに渦
巻いていたりして、かたわらを流れてゆく急流に乱されないのにも似ている。わたしがス....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
燃え上った十年、作家生活の火華は火華を産ンで、花火線香の最後に落ちる玉となって消えた夢野久作、その火華は、今十
巻の全集となって、世に出ようとしている。 久作さんを知ったのは何時の頃からかは....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
を包んでいる美しい布を解いて見ました。すると、赤児の腹のところに、三角にくけた胴
巻が
巻きつけてありました。伊作は赤児の泣くのも耳に入らないと言うように、その財布....