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「巻上げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巻上げの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
、単身踏み留《とど》まり、なんとかかんとか胡魔化《ごまか》して、荷物をことごとく巻上げて来たとの事だ。鬼ヶ島から帰って来た桃太郎よりも大手柄大手柄。 黒羽の宿....
上海された男」より 著者:牧逸馬
て笑い出した。 「し、し、し、し、し」と一人が真似した。 梯子《ジャコップ》が巻上げられた。 「|皆帰船したか《オウル・アブロウド》?」と舵子長《マスタア》が....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、続いて頸、肩、上膊部、胸、腹部、両脚という順序に、全身をグルグルグルグルグルと巻上げますと、御覧の通り木乃伊の出来|損ねか又は、子供の作るテルテル坊主の裸体ん....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
る時に一むらの黒雲虚空よりかの船をさして飛来る、船頭大いに驚き、これは竜の此舟を巻上げんとするなり、急に髪を切って焼くべしとて船中の人々のこらず頭髪を切って火に....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
った。しかも洗って見れば其の観覧料も映画中の一方の役者たる藤次郎政宗さんから実は巻上げたものであった。 木村伊勢領内一揆|蜂起《ほうき》の事は、氏郷から一面秀....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
の船印の一ツになっていた。風がよいと、艫の方で轆轤《ろくろ》でその帆を懸声をして巻上げる。帆が上がり切ると、十分に風を孕んで船が進む様は、実に勇ましかった。追風....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ものがある。また月末給料の入ったのにつけこみ、花札、将棋、麻雀などに誘うてこれを巻上げる。あるいは飲食店につれこんで、一緒に飲食して、その勘定を負担させる。部下....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
凄かった。魔風と云おうか、悪風と去おうか、突如として黒姫おろしが吹荒んだ。それに巻上げられた砂塵に、行列の人々ことごとく押包まれた。雲か霧かとも疑わした。 笹....
日和下駄」より 著者:永井荷風
緒《はなお》を踏〆《ふみし》め、紬《つむぎ》の一重羽織《ひとえばおり》の裾を高く巻上げ、きっと夏袴の股立《もちだち》を取ると、図抜けて丈《せい》の高い身の有難さ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
げも出来ましたから、一度御覧に入れて、それから廿日正月までに、お鞘の塗から柄糸を巻上げますのは間に合いますと、そこは酔っていても商売ゆえ、後藤祐乘の作にて縁頭に....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
る。私は婦女ゆうかい罪だとおどかされ、小楽の一週間分の花代として二十七円あまりも巻上げられ、それでも足らぬので下げていた銀時計まで持っていかれた。分別のない青年....