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「巻脚絆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

巻脚絆の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さようなら」より 著者:田中英光
や軽蔑、憎悪の本能感情が強かった。次の朝、更に岡田は故意でもあるかのように鉄兜と巻脚絆をどこかに棄てていた。 髭ッ面の分隊長は、「気合いを入れてやる」とそんな....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
本軍人として面目がないぞ。」 「はいッ!」 兵士達は、靴もぬがず、軍服もぬがず巻脚絆も解かず、たゞ、背嚢の枕に頭を落すと、そのまゝ深淵に引きずりこまれるように....
鉄面皮」より 著者:太宰治
てそこのところから発しているのだ。先日も、在郷軍人の分会査閲に、戦闘帽をかぶり、巻脚絆をつけて参加したが、私の動作は五百人の中でひとり目立ってぶざまらしく、折敷....
地図にない街」より 著者:橋本五郎
も何もない板塀の門から、堂々と中に入って行った。まだほの暗いその門へは、法被姿や巻脚絆《まききゃはん》や、いずれは労働者と見える連中が、同様に一人ふたり連れ立っ....
氷河」より 著者:黒島伝治
をぬいで手のひらで額の汗を拭いていた。栗本とは入営当座、同じ班の同じ分舎にいた。巻脚絆を巻くのがおそく、整列におくれて、たび/\一緒に聯隊本部一週の早駈けをやら....
泉ある家」より 著者:宮沢賢治
《けっこう》で。) 二人はわらじを解《と》いてそれからほこりでいっぱいになった巻脚絆《まきぎゃはん》をたたいて巻き俄《にわ》かに痛《いた》む膝《ひざ》をまげる....
おりき」より 著者:三好十郎
来る青年。まだ少年と言ってもよいほどの頬をした、スッキリと明るい若者で、ズボンに巻脚絆に靴、あまり大きくないリュックサックにピッケルと言った、無造作な、だがしっ....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
っ立って、じいっと空をにらみつづけていた。小柄ながら肝のすわった男で、鉄兜から黒巻脚絆のきりりとしまった脚の先まで隙もない厳重な身固め、これまで何回となく血の中....
四つの都」より 著者:織田作之助
生、庄平を出発点へ連れて行く。 出発線では七人の選手が待機している。 それ/″\巻脚絆をつけている。 庄平(係の先生に)「済みませんが、脚絆を貸してくれませんか....