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巾着切り
「巾着切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
巾着切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
男は眼をひからせて半七を睨んだ。「ひとの懐中物をあらためてどうするのだ。おめえは
巾着切りか、追剥ぎか」 「追剥ぎはそっちかも知れねえ」と、半七は笑った。「まあ、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い方で、どこまでも其の跡を追って詮議するというほどの事もなかったのです。ほかにも
巾着切りや強請《ゆすり》がありますが、これとても昔はあまり厳しく詮議しなかったの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。異人の紙入れを掏り取って、手早く相棒に渡してしまったに相違ありませんよ。江戸の
巾着切りは手妻《てづま》があざやかだから、薄のろい毛唐人なんぞに判るものですか」....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろう」と、半七は境内の方を見た。 「みんなお堂の方へ駈けて行くようですね。喧嘩か
巾着切りでしょう」 「そんなことかも知れねえ。江戸は相変らず物見高けえな」 さ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ふところから紙入れを引き出そうとしているのであった。こういう場合には珍らしくない
巾着切りである。 「ええ、なにをする」 久兵衛はあわてて其の手を捉えようとする....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なんだか薄気味悪くもなって来た。 しかし相手は孱細い娘である。まさかに物取りや
巾着切りでもあるまい。文字春は今年二十六で、女としては大柄の方であった。万一相手....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「おい、大哥。わっしになにか用でもあるのかえ。花見どきに人の腰を狙ってくると、
巾着切りと間違げえられるぜ」 睨み付けられて男はいよいよ怯えたらしい低い声で、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いうちに自分たちの親の家を飛び出して、同気相求むる三人が一つ仲間になって、万引や
巾着切りや板の間稼ぎなどをやっていたんですが、下町の方でだんだんに人の眼について....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
は新内松という悪い男が附いているのです。以前は新内の流しを遣っていて、今の商売は
巾着切り、そこで綽名を新内松という苦味走った大哥さんに、お金はすっかり打込んでい....
「青年」より 著者:森鴎外
も菊細工の小屋である。国の芝居の木戸番のように、高い台の上に胡坐をかいた、人買か
巾着切りのような男が、どの小屋の前にもいて、手に手に絵番附のようなものを持ってい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の一と書けば二 二はツー、ツー、ツー るの字の頭をちょっと曲げると三 三はスリ
巾着切り、かっぱらい 挟箱《はさみばこ》だと思うと違います 4は四の字でございま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちょっと大枚の三百両だ、そこいらにそうザラにはころがっていねえ、これはこそこそや
巾着切りじゃあ間に合わねえ、相当の荒仕事をしなければならねえが、さてどうしたもの....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
。
「話さんと判りませんが、あっしゃあ、実は掏摸でござんしてね」
「掏摸?」
「
巾着切り、人様の――」
深雪は、傘と、身体を、庄吉から放した。庄吉は、周章てて....
「決闘」より 著者:神西清
いだ、そもそもこれは何者だろうかと了解に苦しんでいた。シニックか、それとも達者な
巾着切りか。なにしろ彼のような、一見インテリらしく、少しは教育もあり、自分の生ま....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
がるんだ。と、てめえも小っぴどくやっつけやした訳で、へい。」 痩形の、小柄の、
巾着切りか刑事見たいな、眼が迫って険しい、青いしゃっ面の、四十前後の、それは鼻っ....