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市兵衛
「市兵衛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
市兵衛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
次いで世評の高い金瓶梅《きんぺいばい》の版元《はんもと》を引き受けていた、和泉屋
市兵衛《いずみやいちべえ》という本屋である。
「大分にお待ちなすったろう。めずら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の飴ん棒を一本二本ずつ売るんです」 「じゃあ、和国橋の髪結い藤次の芝居に出る唐人
市兵衛、あのたぐいでしょう」 「そうです、そうです。更紗でこしらえた唐人服を着て....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
に歿しまして、明治元年、江戸が東京と変りましたときには、当主の父は三十二で、名は
市兵衛と申しました。それが代々の主人の名だそうでございます。なにしろ急に世の中が....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
一 和田峠の上には諏訪藩の斥候隊が集まった。藩士|菅沼恩右衛門、同じく栗田
市兵衛の二人は御取次御使番という格で伝令の任務を果たすため五人ずつの従者を引率し....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
布へ越しましたが、それから九ヶ年過ぎますると寛政四|壬子年麻布大火でござります。
市兵衛町の火事に全焼と成りまして、忽ちの間に土蔵を落す、災難がある、引続き商法上....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
え」 「あれでお前、表は厳《いか》めしそうなれど、裏からは、祇園、島原あたりから
市兵衛駕籠が乗り込むというものさ」 「そうですかな」 親方は感心したような顔を....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
には黒焼屋が二軒ある。元祖本家黒焼屋の津田黒焼舗と一切黒焼屋の高津黒焼惣本家鳥屋
市兵衛本舗の二軒が隣合せに並んでいて、どちらが元祖かちょっとわからぬが、とにかく....
「死体の匂い」より 著者:田中貢太郎
を浸してそれを注いでいたが、すこしの効力があるとも思われなかった。 砲兵工廠の
市兵衛|河岸に寄った方の三層の建物に、新しく火がかかっていた。その火の中から爆弾....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
シテ、残リ無ク後ヲ片附ケタガ、世間デ岡野ト云ウト、誰モ嫁ノ呉レテガ無イカラ、麻布
市兵衛町ノ伊藤権之助ガ嫁ヲ貰ッテヤッタ、オマエ様ガ云ウニハ、何モ持ッテキテガナイ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
話で御免を蒙ろう。 文政五年十二月なかばのことである。芝神明前の地本問屋和泉屋
市兵衛の宅では、女房の難産で混雑していた。女房は日の暮れる頃から産気づいたのであ....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
んな日でも、別にめかしてもいなかったが、人好きのする美人で、足尾《あしお》の古河
市兵衛氏の囲いものだった。その二階に招《よ》ばれて、わたしは綺麗な女たちを面《お....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
りを飲んだ。馬喰町の大阪屋長兵衛という四十男が四升余り、千住かもん宿の方からきた
市兵衛と名乗るのが、万寿無彊盃で三杯飲んだというから合計四升五合。やはり千住の松....
「歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
、朝帰りの威勢のいい一九にはいり込まれたのを口開に京伝、菊塢、それに版元の和泉屋
市兵衛など、入れ代り立ち代り顔を見せられたところから、近頃また思い出して描き始め....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
諫めたところが幸いに私の請を容れ網を焼いて餞別にしてくれた。大阪では安土町の渡辺
市兵衛氏、この方は以前からなかなかの資産家で今は株式仲買業及び朝鮮で交易すること....
「武鑑譜」より 著者:服部之総
治三年|庚午《こうご》初春荒木氏|編輯《へんしゅう》、御用書師|和泉《いずみ》屋
市兵衛、須原屋茂兵衛共同出版の、袖珍《しゅうちん》十九丁ものである。 それは藩....