市区[語句情報] »
市区
「市区〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
市区の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「並木」より 著者:島崎藤村
ながら久し振でゆっくり話そう、ということに定《き》めて、街鉄《がいてつ》の電車で
市区改正中の町々を通り過ぎた。日比谷へ行くことは原にとって始めてであるばかりでな....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
して来たところを見ると、余程の自信と覚悟とがあったものと見なければならぬ。それが
市区改正の大事業……言葉を換えて云えば東京の改造……否、寧ろ日本文化の中心改造と....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
往来から十間奥へ引込んでいたゆえ、静かで塵埃の少ないのを喜んでいた。処が二三年前
市区改正になって、表通りを三間半削られたので往来が近くなった。道路が広くなって交....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
郎公の息子か何かが、この間まで本石町の人形屋光月の傍に鮨屋を出していましたっけ。
市区改正後はどうなりましたか。 この時分、町を歩いて見てやたらに眼に付いて、商....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
題に移動して行くようである。校長は最も多く贈賄した部下の訓導を首席につけ、視学や
市区町村会議員や府県会議員に贈賄する。(代議士は偉ら過ぎて効き目はないそうである....
「津浪と人間」より 著者:寺田寅彦
説もあるであろう。しかし、はじめは人目に付きやすい処に立ててあるのが、道路改修、
市区改正等の行われる度にあちらこちらと移されて、おしまいにはどこの山蔭の竹藪の中....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
り人間ばかりでなく、魚の泳ぐ所を見てもやはり物の陰に集まろうとしている。それゆえ
市区改正のために商業上大打撃を受けた実例は到る所にある。路幅の広い街さえすでにか....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
あった。 それから、昭和元年ごろ、歳晩にも一度見て通ったことがある。その時には
市区改正の最中で道路が掘りかえされ、震災後のバラック建であるし、殆ど元のおもかげ....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
五夜――これは短い話で、今からおよそ二十年ほど前だと覚えている。芝の桜川町付近が
市区改正で取拡げられることになって、居住者は或る期間にみな立退いた。そのなかで、....
「ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
の中を附木で境ッたようになッてたまるものか。兎角コチンコチンコセコセとした奴らは
市区改正の話しを聞くと直に日本が四角の国でないから残念だなどと馬鹿馬鹿しい事を考....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
かれた焼あとの地図も、もうどこかの壁の破れに貼られたろう。家も残らず建揃った上、
市区改正に就て、道は南北に拡がった、小路、新道、横町の状も異ったから、何のなごり....
「亡びゆく花」より 著者:岡本綺堂
開いて、夢の如くに散る。人に省みられない花だけに、なんとなく哀れにも眺められる。
市区改正や区劃整理で、からたちをめぐらしているのは新しい建築でない。 要するに....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
かる地点を選択せしや、全くその意を了解するに苦しみたる事あり。余はまたこの数年来
市区改正と称する土木工事が何ら愛惜《あいせき》の念もなく見附《みつけ》と呼馴《よ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
だねと言われるそこのところをお聞かせ願いたいのです。また大阪市は近き将来において
市区改正をせねばなりませぬので、あなたが三百年前にご計画されたあの壮大な大大阪の....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ている。それだのに早や紅葉しかけた木々もある。 観望の壮大なことは驚く。それに
市区の井然たることは、未だかつて内地の都市に見ぬ鮮かさだ。札幌はこれ以上に美しい....