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市場
「市場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
市場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
「やっぱりちっとはすったかしら。」
洋一ももう茶を飲んでいた。この四月以来|
市場《しじょう》には、前代未聞《ぜんだいみもん》だと云う恐慌《きょうこう》が来て....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
せんたくもの》を俺自身洗濯屋へ持って行った。もっとも出入りの洗濯屋ではない。東安
市場《とうあんしじょう》の側の洗濯屋である。これだけは今後も実行しなければならぬ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
銭に過ぎないことを、あとで聞いてちと鬱いだほどである。が、とにかく、これは問屋、
市場へ運ぶのではなく、漁村なるわが町内の晩のお菜に――荒磯に横づけで、ぐわッぐわ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
の中に――今思うと船宿でしょう。天井に網を揃えて掛けてあるのが見えました。故郷の
市場の雑貨店で、これを扱うものがあって、私の祖父――地方の狂言師が食うにこまって....
「古狢」より 著者:泉鏡花
っては唐突で、ちと飛離れているけれど、松江だね、出雲の。……茶町という旅館間近の
市場で見たのは反対だっけ――今の……」 外套の袖を手で掲げて、 「十貫、百と糶....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
の香気が芬として、あるが中に、硝子戸越の紅は、住吉の浦の鯛、淡路島の蝦であろう。
市場の人の紺足袋に、はらはらと散った青い菜は、皆天王寺の蕪と見た。……頬被したお....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
んで立ったのがその画伯であった。 「ああ、やっと、思出した……おつまさん。」 「
市場の、さしみの……」 と莞爾する。 「おさらいは構わないが、さ、さしあたって....
「しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
声で、 「やあ、すずの兵隊が。」といいました。 おさかなは、つかまえられて、魚
市場へ売られて、買われて、台所へはこばれて、料理番の女中が大きなほうちょうで、お....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
一 お話のはじまり コペンハーゲンで、そこの東通の、王立新
市場からとおくない一軒の家は、たいそうおおぜいのお客でにぎわっていました。人と人....
「旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ふれました。三頭の牛のおなかに、小がもやにわとりをつめたまま、丸焼にしたものを、
市場のまん中にもちだして、たれでも、ひと切れずつ、切ってとっていけるようにしまし....
「ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
た。「外国鳥の歌をきくなんて、とんでもない。そういうことは愛国的だといえようか、
市場がよいのバスケット君にはんだんしておもらい申しましょう。」 ところで、バス....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
がいながら、横断したものだ。そこの東側の岸にくいこんでいる広い入江の奥に、小さな
市場か田舎の港といったような町があり、ある人たちはグリーンズバラと呼んでいるが、....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
るより、その処置につき勘考中、カションこれを聞き込み、その銭を一手に引受け海外の
市場に輸出し大に儲けんとして香港に送りしに、陸揚の際に銭を積みたる端船覆没してか....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
たまには来られた様であったが、香椎の山奥で作ったと云う水密桃だの梨だの葡萄だのを
市場――筆者の父は青物果実問屋の親爺であった――へ持って来られていたのをよく知っ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ながら、その化けた不良性らしい彼の女等を眷属にして。…… あとでも、時々、瓜は
市場に出た。が、今は他のものを装る器具でない。瓜はそのまま天来の瓜である。従って....