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市役所
「市役所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
市役所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「交尾」より 著者:梶井基次郎
ちがいない。彼らはブールヴァールを歩く貴婦人のように悠々《ゆうゆう》と歩く。また
市役所の測量工夫のように辻《つじ》から辻へ走ってゆくのである。 隣の物干しの暗....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
は白い砂けむりが舞いあがるので、どの人の帽子も肩のあたりも白く塗られてしまった。
市役所も劇場もその前づらだけを残して、内部はことごとく頽れ落ちている。大きい寺も....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
大正十一年頃の発信で、署名は相変らず東京未決監未決六年冤枉者支倉喜平、宛名は金沢
市役所市長殿である。 前半には例の書類隠匿事件も詳細に書き、後半には、 「君(....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
た特別に色気が無いもんでないか。 ――組合のビラよ。 失業労働者大会 ・
市役所へ押しかけろ! ・我等に仕事を与えよ! ・失業者の生活を市で保証せよ! ....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
常変災要務規定』などいうものが、もう三年も前に、東京警備司令部、東京憲兵隊、東京
市役所、東京府庁、警視庁の協議できまっているんだからね。今やっているのは、その後....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
。しかしもう気持が、寄れないところへ行っていた。彼は別な、公園の道に出た。そこは
市役所の裏で暗かった。道の両側には高い樹が並んで立っており、それが上の方で両方枝....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
犯しおるじゃ。私はな、ただ秘密ということばかりでも一種立派な罪悪と断ずるで、勿論
市役所へ届けた夫婦には関係せぬ。人の目を忍ぶほどの中の奴なら、何か後暗いことをし....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
Ulmerspatz という看板を出している小さい食店である。僕は川岸を離れて、
市役所の壁に色々の壁画の描いてあるのを見、それから市立浴場を覗き、こういう町にふ....
「ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
後には白い砂烟が舞いあがるので、どの人の帽子も肩のあたりも白く塗られてしまった。
市役所も劇場もその前づらだけを残して、内部はことごとく頽れ落ちている。大きい寺も....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
る。火元は埋立地だという。銀座が焼けた。糸川がやけてる。国際劇場へもえうつった。
市役所があぶない等々。街々を噂が走る。 してみると私が時々遊びにでかけた林屋旅....
「映画の普及力とは」より 著者:伊丹万作
るが、いわゆる寺ではない。試みにその事務所をのぞいてみよ。規模からいつて大都会の
市役所くらいはある。なぜこんなことを知つているかというと、私は映写室を探して迷宮....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
はないけれど、その夜店の種々雑多なことは、日本のどの都市にも遜色がないであらう。
市役所前から名古屋駅頭まで、断続しつゝある偉観は、大した自慢にはならぬが、それ自....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
小僧と警察へ同行することにした。 警察では受附の巡査が、「こうした事件はすべて
市役所の関係したことだから、そっちへ伴れて行ったらいいでしょう」と冷淡な態度で言....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
たは自分等が「秩序に復した」市会によって死刑に処せられることなぞは少しも思わずに
市役所を占領する。武器もない民衆がテュルリー宮殿に侵入して、赤い帽子をかぶった王....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
るだけの科学的知識を持っておらないのであった。無理もないことである。彼らは昼中に
市役所の四階に電燈をつけねばならぬほどの暗い大阪市に満足して平気でいたのである。....