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市街地
「市街地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
市街地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
と垂れたまま黙っていた。
国道の上にはさすがに人影が一人二人動いていた。大抵は
市街地に出て一杯飲んでいたのらしく、行違いにしたたか酒の香を送ってよこすものもあ....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
田敬二郎が牧場の用事で真駒内《まこまない》の種畜場へ出かけるのを、令嬢の紀久子が
市街地まで送っていくのだった。 空は孔雀青《くじゃくあお》の色を広げていた。陽....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
同 一〇 静岡 同 三〇 京浜
市街地 12日 朝 相当数の数編隊 関東地区 13日 夜 ....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
会人に欺かれて早くから地所を手放して了ったのもあるが、中には拱手して忽ち意外なる
市街地の大地主となったものもある。都会の成金は屡々嘲弄嫉妬の目標となったが、市外....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
ても、森山には頷けない気持だった。 損徳の問題からすれば、土地を売って了って、
市街地へ出て商業に投資すべきであることは彼も無論知っていた。遥か以前に、あの煉瓦....
「都会地図の膨脹」より 著者:佐左木俊郎
か? この煉瓦色の部分だ。これは前にも言ったように、人家の建混んでいる都会の色、
市街地の色なのであるから、この地図の上で、当然この色が塗られていなければならない....
「空襲警報」より 著者:海野十三
にでて、まず環状線道路及び新宿駅を爆撃破壊したる後、東京市北部及び西部の繁華なる
市街地に対し瓦斯弾攻撃を行い、住民をして恐怖せしめ擾乱を惹起せしむべし!」 「承....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
部隊とともに、戦車もトラックもひそむことができるほどの広い穴である。 その穴の
市街地に最も近い一ツが乞食の巣になった。伊東では畑の中に温泉のわいているところも....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
京近郊の村落で小学校の先生をした。代用教員である。そこは今では東京都内の賑やかな
市街地であるが、当時はまったくの武蔵野。田園と自然林の村落であった。ところが、そ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
できて、とても、このへんでは想像のできないものだ。 塩竈では港の市場のほかに、
市街地の中にある小売市場を見た。小売市場は二ツあって、一ツは加工品専門だ。これに....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
の頃は道の両側は一面の青田でして、諸所の農園めいたものがありましたが、今は立派な
市街地となって、両側に断続的ではあるが、町屋が建ち並びました。 都市の発展の速....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
はさんで荒物屋、郵便局、床屋、農具店、種物屋、文具店などが二、三十軒並んでいる「
市街地」に出る。――由三は坊主頭と両肩をジュクジュクに雨に濡らしたまま走った。 ....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
足ろう。 坂の者と云い、川原者というは、共にその住居の有様から得た名で、けだし
市街地または田園等に利用すべき平地に住むをえず、僅かに京都附近の空閑の荒地を求め....
「嫁入り支度」より 著者:神西清
は見えない。とはいえ、うっそうたる緑に包まれているからといっても、この家はやはり
市街地の家に違いなかった。その家の広々した宅地は、おなじく広々した隣家の宅地と一....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
しておりますが、彼は私にこう訴えました。自分らは常に農家で品物を仕入れて、それを
市街地で売っているのであるが、その品物が潤沢でありさえすれば、一般世間の人々と同....