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布令
「布令〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
布令の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
た杉の木のように矗々《ちくちく》と沖《ひひ》らしている大将であった。今度の出陣の
布令が、越前家に達した時も、家老たちは腫れ物に触るように恐る恐る御前にまかり出で....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
やと》うがいい。だんまりで辞令を下げておいて、蕎麦を食うな、団子を食うなと罪なお
布令《ふれ》を出すのは、おれのような外に道楽のないものにとっては大変な打撃だ。す....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
、ついに当人は無罪放免、これからはたとい女たりとも産婆営業勝手たるべき事と云う御
布令《おふれ》さえ出てめでたく落着を告げました」「よくいろいろな事を知っていらっ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
し、川中の通航は遠慮の事、他船の往来を妨げざるよう心して川岸を通るべし、という御
布令書の掟を重んじて、その川岸伝いに遠道の永代橋口へさしかかって行くと、酔狂とい....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
であった。明治五年の二月には松本を所在地とする新しい県庁からの申し渡し、ならびに
布令書なるものが、早くもこの谷中へ伝達されるようになった。とりあえず半蔵らはその....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の避病院が一ぱいになる年がある。真白い診察衣を着た医員が歩く。大至急清潔法施行の
布令が来る。村の衛生係が草鞋ばきの巡査さんと溷、掃溜を見てあるく。其巡査さんの細....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
人相書も各地に廻されていて、これを捕えて申し出る者には、恩賞は望みに任すとまでの
布令が、発布されておるというありさまなのでございます。それでご上人様におかれまし....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
か、調べになど来る事はなかろうか」 かく「滅多には参りませんが来ても只村役人がお
布令の書付や何かを持って来るだけの事でございます、又お前さん方が泊っている内は他....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
天保三年に不作で、四年の米高に暴徒が起った。五年の秋には、暴騰して、囲米厳禁の
布令が出て、米|施行《せぎょう》があった。江戸では、窮民のお救い小屋さえ出来た。....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
うな有様であった。政府はこの弊を矯めるがために神仏混淆を明らかに区別することにお
布令を出し、神の地内にある仏は一切取り除けることになりました。 そして、従来|....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、私は正にそれに当っている。何時何日に扱所に出頭して寸法や何やかやを調べるという
布令である。これは大騒ぎ。今日から思うと迂闊極まることではあるが、今日とは物情大....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
この時代のことで、おもしろい話がある。これは神仏混淆の例証ではありませんが、やはり神仏区別のお
布令からして仏様側が手酷しくやられた余波から起った事柄であります。 本所の五ツ....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
、既に血を求めて鳴っていた。 六 『点呼っ!』 と関鉄之介が低い声で
布令た。 『もう、大体揃ったようだ』 懐中から、連判帖を取り出し硯箱を引き寄せ....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
しつけた箪笥に二棹の証書を精算したら恐ろしい額に達するのであろうが、これが維新の
布令が出ると同時に悉くフイとなったのであるから、別当では気も遠くなるばかり驚いた....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
こととなった。それがいつの頃から着手されたかはハッキリせぬが、既に元禄頃の諸藩の
布令書などには、エタ取締りの事が往々見えている。元禄十二年の徳島藩の
布令書に、町....