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「布石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

布石の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
愚かな一日」より 著者:豊島与志雄
ない記事に隅々まで眼を通した。それからしまいには、囲碁の処を狭く折り畳んで、その布石の順序を一々辿っていった。 瀬川が戻って来た時は、もう日も陰りかけ、食事の....
私の碁」より 著者:坂口安吾
るという、まことに醜態で、恥を天下にさらす、あさましい話である。 私があんまり布石にヘタクソで、二十目ちかいダンゴ石が出来上った始末だから、塩入三段も驚いた様....
恐怖の季節」より 著者:三好十郎
も、宮本百合子のミゴトに割り切った唯物弁証法的公式や社会主義的リアリズム図式の「布石」にひっかけられて、彼女が前もって作っておいたハメ手にはめこまれて、満足のよ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
百九十九円九十九銭 病気保養料 一、四百四十四万四千四百四十四円四十四銭 空中散布石炭代(一貫一円として) このほか、幾億万円の損害は人体の浪費、美に対する鑑....
三国志」より 著者:吉川英治
け上がってみた。 高きにのぼって見渡すと、一見乱立岸々たる石陣にも自ら整々たる布石の相があり、道に従って四方八面に門戸があった。 「擬兵、偽陣。これはただ人を....
私本太平記」より 著者:吉川英治
だった。 そしてこれはまた、朝廷が東国東北の武士勢力を牽制するために打った一大布石であったことも、権力にたずさわる者にはすぐ読みとれていた。 元来、奥羽二国....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、一礼して、伝馬役所の裏から誰にもその面を知られず立去ってしまった。じつにこの一布石があったればこそ、尊氏も自信をもって、直義が迎えの一隊も返し、自軍のみで目ざ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
詭計でもない。一に彼の尊氏観が甘かったところに起因し、尊氏が打ッて逃げた“退きの布石”を読み違えていたことに重大な錯誤がある。 元来。――播磨には新田義貞の所....
私本太平記」より 著者:吉川英治
笑まれるものでしかない。 それに彼が吉野へ来てから着々とすすめていた南党再起の布石もととのい、熊野海賊の洋上勢力も傘下に加え、また近くには、河内の東条に前衛本....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
ぼすなどは悪いコンディションであったとは思わない。そのフィクションもすべて史証を布石とする推理なのはもちろんだが。 さてこんなときの史料なるものが、いかにたよ....