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布置
「布置〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
布置の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
らにその前を読んだ。そうしてまたその前の前を読んだ。
しかし読むに従って拙劣な
布置《ふち》と乱脈な文章とは、次第に眼の前に展開して来る。そこには何らの映像をも....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
か、言葉の着けようさえありません。こういうとただ華麗《かれい》な画のようですが、
布置《ふち》も雄大を尽していれば、筆墨《ひつぼく》も渾厚《こんこう》を極《きわ》....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
利島、三宅島などが、鋪石のように大洋に置かれているのと似て、更に大規模なる山海の
布置を構成するであろう。今のような裾野となって、富士の登山が一しお悦ばれるのは、....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
体系は認識に於て或る不可欠な性能でもあるのである。体系というと、出来上った図式か
布置のようなものを普通考えたがる。だが之は体系の終結状態であって、体系の動きでは....
「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
はない。公式はこの科学的体系の要素なのである。 システムというと物ごとの不動な
布置ででもあるように考えるのが、一部の常識である。そして公式や科学に恐怖を持つ者....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
る者もいた。彼らは大きな長い作品をいつも軽蔑《けいべつ》していた。文句中の言葉の
布置を極端に重んじているらしかった。それでも、「思想」という言葉が彼らの話にはし....
「省察」より 著者:デカルトルネ
と、しかし人間の身体は、余の物体と異なる限り、ただ単にもろもろの器官の或る一定の
布置、及びこの種の他の偶有性から組立てられたものであり、しかるに人間の精神はかよ....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
イエバ草書ト少シモカワリハナイノデアル。シカルニ草書ト楷書ハ、コレヲ混ゼコジヤニ
布置シタ場合ケツシテ調和スルモノデハナイ。シタガツテ楷書トヒラガナモマタ同様ニ調....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
然の姿を呈して居り、昔は数奇を谷めたらしい、築山、泉水、石橋、亭、そういうものは
布置においてこそ、造庭術の蘊奥を谷めて、在る所に厳として存在していたが、しかしい....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
気分が漲っていたが、昔から風光明媚として、謡われるところだけに、家の構造、庭園の
布置に、僕を喜ばせるものがあり、終日町や郊外を、飽かず僕は見て廻った。夕方まで見....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
桜の老樹や若木に雑って、棕櫚だの梅だの松だの楓だの、竹だの青桐だのが、趣深く、
布置整然と植込まれてい、その間に珍奇な庭石が、春の陽に面を照らしながら、暖かそう....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
階堂志津馬の寮の、一部屋であった。狭い庭であるが、鞍馬石に、木竹を配して、巧妙に
布置されてあった。牧は
(山内も、家中の、尊王熱に浮されて、京の街を、歩いている....
「書について」より 著者:高村光太郎
根本原理として造型芸術共通の公理を持つ。比例均衡の制約。筆触の生理的心理的統整。
布置構造のメカニズム。感覚的意識伝達としての知性的デフォルマシヨン。すべてそうい....
「挿話」より 著者:徳田秋声
別にいいというほどの庭ではなかったけれど、乾いた頭脳には、じじむさいような木石の
布置が、ことに懐かしく映るのであった。 「少し手入れをするといいんですけれど」辰....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
に展開している。山の彫刻に曠世の技倆を揮った大自然の手は、此処にも企及す可らざる
布置按配の巧妙を示した一幅の大画を拡げて、渓間に漲充された軟熟な翠色の空気は、画....