布衣[語句情報] »
布衣
「布衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
布衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運命」より 著者:幸田露伴
にして世を早うしたまいぬ。太祖時に御齢六十五にわたらせ給いければ、流石に淮西の一
布衣より起って、腰間の剣、馬上の鞭、四百余州を十五年に斬り靡けて、遂に帝業を成せ....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
ラリッと押開け、どっこいと蹌いて入りましたのは長二でございます。結城木綿の二枚|
布衣に西川縞の羽織を着て、盲縞の腹掛股引に白足袋という拵えで新しい麻裏草履を突か....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
百人以上の家臣従僕が列をなして従った大名|旗下の供数も、万石以上ですら従者五人、
布衣以下は侍一人に草履取り一人とまで減少された。二百年間の繁文縟礼が驚くべき勢い....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
》を三たび訪《と》う。これを三|顧《こ》の礼《れい》と言うてナ。臣《しん》、もと
布衣《ほい》……作阿弥殿、御名作をお残しになるよう、祈っておりますぞ。お美夜坊と....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
……」 その時一人の老人が影のように部屋の中へはいって来た。乱れた白髪|穢れた
布衣、永い辛苦を想わせるような深い皺と弱々しい眼、歩き方さえ力がない。 「お姫様....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、御承知の通り、諸葛孔明様の有名な出師《すいし》の表《ひょう》の中に、『臣モト
布衣《ほい》、躬《みづか》ラ南陽ニ耕シ、苟《いやしく》モ生命ヲ乱世ニ全ウシテ聞達....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
風をする。供もそれに準じた服を着た。私の父も風折《かざおれ》烏帽子《えぼうし》に
布衣《ほい》で供をした。まだ暗いうちに、燈のもとでこの装いする所を、いつも私は珍....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、「富人の家の子等の着る身無み腐し棄つらむ絹綿らはも」(巻五・九〇〇)、「麁妙の
布衣をだに着せ難に斯くや歎かむ為むすべを無み」(同・九〇一)という歌もあるが、こ....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
入道と云って居た。其後三位の中将が瀧口をたずねて行って会って見ると都に居た時には
布衣に立烏帽子衣紋をつくろい髪をなで、あんなに美くしかった男と誰が思うだろう。出....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
いうのでした。 私は当惑する前に知己の恩に感じたのでございます。私のような一|
布衣を限りなくお信じなされればこそ、この一大事をお任せ下さるのだ。自分は幕府に対....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
定めたのじゃ。実はこの私も若い時にはちょうどお前と同じように名利の念に薄かった。
布衣であろうと王侯であろうと人間の一生は同じことじゃ。王侯などになったならかえっ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
この時はその金を景晴が利用し、その後その金を用いた者で、史上有名の人物といえば、
布衣から起こって関八州を領した、彼の小田原の北條|早雲、武蔵七党の随一と云われた....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
群れに眺め入った。 顧みれば、私の釣りの年月は長かった。だが、これからもまた、
布衣をまとって、いつまでも渓に海に、竿と糸とに親しむ自分であろうと思う。....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
寺号。後有芭蕉居士賞雪佳句。鱠炙人口。嗚呼公絶代豪傑。其名震世。宜矣。居士不過一
布衣。同伝於後。蓋人在所樹立何如耳。 先儒の文は目前の景に対して幾分の興を添....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
相国寺大塔供養応永六年九月十五日の式のことを書いた中に、 左大臣内大臣以下 一人
布衣侍二人 とある。雑色は江戸時代になっても京に存して、京内の警戒に任じ、神事....