布設[語句情報] »
布設
「布設〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
布設の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猫町」より 著者:萩原朔太郎
あいばしゃ》が往復していた。特にその繁華なU町へは、小さな軽便《けいべん》鉄道が
布設されていた。私はしばしばその鉄道で、町へ出かけて行って買物をしたり、時にはま....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
だ」 「乗る人があるからさ」 「乗る人があるからって――余《あんま》りだ。あれで
布設したのは世界一だそうだぜ」 「そうでもないだろう。世界一にしちゃあ幼稚過ぎる....
「行人」より 著者:夏目漱石
自分が東京を立つ前に、母の持っていた、ある場末《ばすえ》の地面が、新たに電車の
布設される通《とお》り路《みち》に当るとかでその前側を幾坪か買い上げられると聞い....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
て筆者は彼からコンナ話を聞いた。 「福沢桃介という男が四五年前に、福岡市の電車を
布設するために俺に接近して来たことがある。俺は彼に利用される振りをして、彼の金を....
「ソヴェト文壇の現状」より 著者:宮本百合子
文学ウダールニクを組織した。ソブキノの撮影隊はカメラをもって、「トルクシブ鉄道」
布設工事の現場へ、ヴォルガ地方の集団農場へ、バクーの油田へ、出かけて行く。文学ウ....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
は出来るだけ人目につかないように忍んでやった。それも、単に本線との連結点の軌条を
布設し、そこに以前のように転轍器を装置しさせすればすんだのだ。枕木は昔ながらに埋....
「新疆所感」より 著者:日野強
のもっとも視聴を驚かせしはタシケント地方よりトムスク市に達する鉄道(アルタイ線)
布設の計画、いよいよ実行せられんとするの一事なりとす。その鉄道の敷設がイリに如何....
「魔都」より 著者:久生十蘭
に命じて上水池を検せしめたところ、井の頭池の水が飲用に適するを発見して神田上水を
布設させたが、三代将軍家光の寛永年間には、玉川清右衛門に多摩川を水源にする玉川上....
「上野」より 著者:永井荷風
津の社前より不忍池の北端に出る陋巷は即《すなわち》宮永町である。電車線路のいまだ
布設せられなかった頃、わたくしは此のあたりの裏町の光景に興味を覚えて之を拙作の小....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
しろ余技とも見るべきこの問題は自然等閑に附されがちであった。しかるに近年防火水道
布設の為に境内地発掘の事あり、引続き五重塔心柱礎内の秘密の発見の事などがあって、....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
大きい会堂らしい建物が、変に陰欝な感じを与えるほど、立ちならんでいる。天理教徒の
布設した鉄道もここから王子へ通じているのである。汽車で駈け通ってさえ濃い天理教の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
レヒト旅館に宿す。終日市街および公園を散歩し、今昔の変遷いかんをみる。地下鉄道の
布設と自動器械の流行は、先年いまだ見ざりしところなり。スカンジナビア三国にも自動....
「黒田清隆の方針」より 著者:服部之総
た。追いかけるように二月九日付で、神戸アメリカ領事ロビネットの名で神戸大阪間鉄道
布設願書を大阪府知事|五代才助《ごだいさいすけ》あてに提出したのは、新政府が向英....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
こうこつ》、悲しみ、悦《よろこ》びの感激を満足させてくれた処であった。電車はまだ
布設されていなかったが既にその頃《ころ》から、東京市街の美観は散々に破壊されてい....
「美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
も蝋燭でいた所があるんだ。皇居ですよ。皇居といっても、宮内省にはいの一番に電燈も
布設されていたが、明治天皇のご起居なすっていた一郭だけが、いつまでも京都御所以来....