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帆掛
「帆掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帆掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球図」より 著者:太宰治
ものにちがいない、と気附いたのである。磯辺に出て、かなたこなたを見廻したが、あの
帆掛船の影も見えず、また、他に人のいるけはいもなかった。引返して村へ駈けこんで、....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
何もして来なかったが、新手《あらて》の武者さえ馳《は》せ加わっては、見苦しく尻に
帆掛けて逃出す訳にも行かない。且《かつ》は吾輩の膝栗毛も頻《しき》りに跳ね出した....
「猿小僧」より 著者:萠円山人
がよかったので、小僧はぼんやりと見とれていると、やがて沖の方から一|艘《そう》の
帆掛船が来るのが見えた。小僧は久し振りにこんなものを見たので、何だか懐かしいよう....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
つまた遇うやら遇わぬやら」で銘々男の住所姓名を書いて渡し、涙ながらに船は出て行く
帆掛けて走る、さて情けの種を宿した場合に生まれた子が女なら島へ留めて跡目《あとめ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
いてから、あの本願寺の門の前を通ると、駒形堂が真直に見えました。そうして、大河の
帆掛け舟が「そんな大火があったかい」といったように静かに滑って行くのが見えました....
「環礁」より 著者:中島敦
の水を切って走る朱の三角帆の鮮やかさが、私の目をハッキリと醒《さ》めさせた。その
帆掛|独木舟《カヌー》は、今ちょうど外海から堡礁《リーフ》の裂目にさしかかったと....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ず大根締めを取り附け、その上に俵を三俵または五俵真ん中に積み、その後に帆の附いた
帆掛け船の形が出来て、そのまわりにいろいろな宝が積み込んであるように見せて、竹の....
「お母さん」より 著者:小川未明
「お母《かあ》さん海《うみ》が見《み》えた! あれあれかもめが飛《と》んでいるよ。 あれあれあんなに遠《とお》く
帆掛船《ほかけぶね》が 見《み》えるよ。 お母《かあ》さんお母《かあ》さん海《う....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
家中風俗を町でも“伯耆様”と呼んでいるほど、いつのまにか都振りに染んで、恩賜の“
帆掛け紋”を、旗、道具、衣裳につけ、その行装の華奢なこと、たれにも負けない風だっ....