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「帆檣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帆檣の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇遇」より 著者:芥川竜之介
私。」 二人は声のした方へ、同時に驚いた眼をやった。そうしてすぐに笑い出した。帆檣《ほばしら》に吊った彫花《ちょうか》の籠には、緑色の鸚鵡《おうむ》が賢そうに....
竹青」より 著者:太宰治
あった。 その日の午後、いまは全く呉王廟の神烏の一羽になりすまして、往来の舟の帆檣にたわむれ、折から兵士を満載した大舟が通り、仲間の烏どもは、あれは危いと逃げ....
竹青」より 著者:田中貢太郎
朋輩の鴉ががあがあと噪いで飛んでいた。そして、それに随いて往って往来している舟の帆檣の周囲を飛んだ。すると舟の上にいる旅人が争うて我も我もと肉をなげてくれた。朋....
旅愁」より 著者:横光利一
ンから来るという日で、二人は彼女の宿の選定に悩んでいたときだったが―― 茂った帆檣の見える埠頭の方から汽笛が鳴った。バルコオンの欄干のところで、真紀子と千鶴子....
三国志」より 著者:吉川英治
に云ってしばしは笑いもやまず、 「加盞加盞」 と彼の寿と健康を祝した。 時に帆檣のうえを、一羽の鴉が、月をかすめて飛んだ。曹操は左右に向って、 「いま鴉の声....
三国志」より 著者:吉川英治
の上から、諸大将が、口をそろえて答えた。 「見えます、龍舌旗が」 「すべての船の帆檣に!」 「青旗のようですっ。――青龍の牙旗。まちがいはありません」 曹操は....
三国志」より 著者:吉川英治
め合いながら、疾風にもまれていたが、そのうちに船と船とは衝突するし、舵を砕かれ、帆檣を折られ、暴れ荒ぶ天地の咆哮の中に、群船はまったく動きを失ってしまった。 ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、それもすぐに止んでしまった。 終夜が波の響と風の音と、それに雑多の――それは帆檣に降る、船室の屋根の上甲板に降る、吊ボートに降る、下の甲板に降る、通風筒に吹....