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「帆立貝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帆立貝の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ゼーロン」より 著者:牧野信一
凡《およ》そ三千尺、そして海岸迄の距離が凡そ十里にあまり、山中の一角からは、現在帆立貝や真帆貝の化石が産出するというので一部の地質学者や考古学徒から多少の興味を....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
面を室内から見ると、それが、音響学的に設計されているのが判る。一口に云えば巨きな帆立貝であって、凹状の楕円と云ったら当るかもしれない。たぶんここに鐘鳴器を具える....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
をした。今日不器用な手に小石を数えつゝ、不図其事を思い出した。 海岸を歩けば、帆立貝の殻が山の如く積んである。浅虫で食ったものゝ中で、帆立貝の柱の天麩羅はうま....
新学期行進曲」より 著者:海野十三
もきするものかしら。(気分をかえて)えー斧足類は蛤に蜆に牡蠣、あさり、あげまき、帆立貝、赤貝、ばか貝。 △音響、格子ががらがらとあく。(父親の帰宅) 父親 なん....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
みもしないのに、俺達を唆かして、おけらの足に糸をつけ、玩具の車を引張らせる奴さ。帆立貝の中に俺達を閉じ込めて、宇宙の真底を見せてくれない奴さ。……まあ、俺達の過....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
、天真爛漫な田舎の子供を知らないからなのであろう。まして、ここは海岸の事だから、帆立貝《ほたてがい》のなかから生れたような子供だの、鯨の背中に乗って流れ着いて来....
炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
世の中あセチがろうござんすからね。なんでも売りますよ、儲けにさえなりゃ。 ワイセ帆立貝なども売ってるかね? ルノウ 売りますね、注文さえ有れば。へへ。 ワイセ ....
食道楽」より 著者:村井弦斎
てメリケン粉をいため牛乳にて溶し塩胡椒を入れて白ソースを作り前の肉を和え、小さき帆立貝か菊形へ入れてテンパンに並べ上へパン粉を振掛けテンピの中へ入れて十分間焼く....
上海」より 著者:横光利一
を抜いた家鴨、豚の腎臓、蜂蜜の中に浸った鼠の子、林檎の揚げ物に竜顔の吸物、青蟹や帆立貝――参木は翡翠のような家鴨の卵に象牙の箸を突き刺して、小声で日本の歌を歌っ....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
土の七厘で煮るということは、一つの自慢であってよくはないでしょうか。鍋には好んで帆立貝を用います。 羽後の国にはたった一ヵ所だけ焼物の窯場があります。神宮寺と....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ないものだ。真珠はあんなに産みもし磨かせもしているのに、翁自身の人間は、いまだに帆立貝のままである。この親帆立貝は、割らない方がいいように思われた。教養的な真珠....