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「帆走〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帆走の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
しているのに驚いた。夫人の語るところによれば、キャプテン深谷氏は昨夜もあの奇妙な帆走に出掛けたと云う。そして今朝はもう冷たい骸となって附近の海に愛用のヨットと共....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ならない。 うらうらと空は晴れていた。そこでは雲雀が啼いていた。そうして片雲が帆走っていた。絹糸のような水蒸気に漉され、油のように質の細かな、午後三時頃の陽の....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
い風のために帆がマストに吹きつけられること。 (11)できるだけ風の来る方に近く帆走し上がること。 (12)船首から船尾にいたるまですっかり平坦に張られた上甲板....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
あわい》は遠し、なるほどねえ、見えないかも知れない、が、確かに恐ろしい船が、一隻帆走って来るのだよ」 「どういう意味でございますかな? 恐ろしい船と申しますのは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
識を得ました。 船の大きさは日本の千石――あちらの百トン程度のものであること。帆走《はんそう》を主として、補助機関が附してあること。 機関室が船の中央になく....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
に乗りました。船はすぐ方向をかえて、そこをはなれてしまいました。 墓場のそばを帆走って行く時、すべての鐘は鳴りましたが、それはすこしも悲しげにはひびきませんで....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
うちに、スクーナー船は次第に風下へ向い、再び別の針路を執って、一分くらいの間疾く帆走したかと思うと、もう一度ちょうど風上に向って停った。こういうことを再三再四繰....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
をなくしてしまったのである。 こうなってはしかたがない。帆をまきあげて、避難の帆走をはじめた。大風にくるいだした大波は、船をめちゃめちゃにゆり動かし、翌、十八....
サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
さい川を通った時、それはあまりに小さいので、ちょうど魔法船が陸の牧場や麦畑の中を帆走って行くように見えた。舟は二人乗として快適なものであった。そして必要品を置く....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
射し込んでいる。街道を通る旅人が見える。淀川の流れが流れている。 白帆が上流へ帆走っている。 「流石は山内伊賀之助、眼力に狂いがなかったよ」 こういったのは....
俊寛」より 著者:倉田百三
づきつつある。見なさい。あの穏やかな春の海を、いっぱい日光を浴びて、金色に輝いて帆走って来る船を! あの姿があなたをおどりあがらせないのは不思議というほかはない....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
馴鹿は自慢の速足を利用して林から林へ逃げて行く。小鳥の群は大群を作って空の大海を帆走って行く。斑馬の大部隊は鬣を揮って沼の方角へ駈けて行く。 火足は次第に近付....
少年・春」より 著者:竹久夢二
なたはブランコが揺れるままに、何時かしら、藍色のキモノに身を包んで藍色の大海原を帆走る一個の船夫であった。 風は帆綱に鳴り、白帆は十分風を孕んだ。船は閃く飛沫....
妖怪学」より 著者:井上円了
メリカ人の伝うるところなりということを聞き得たり。 明治十八年ごろ、アメリカの帆走船、下田近傍に至りて破損したるものあり。その破船のことに関して、アメリカ人中....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
捜索して、はじめてその説の真なるを知る。 一昨昨年ごろのこととかや、アメリカの帆走船、豆州下田近傍に来たりて破損したることあり。その破船の件に関して、アメリカ....