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帑
「帑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帑の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
人間だ。しからばこの上に、なお人造人間を作る必要があろうか。人造人間の研究費は国
帑《こくど》の二分の一にのぼっている。そんな莫大な費用をかける必要が何処にあるだ....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
スッと消えてしまうと、あとの世界は又薄暗い不景気になってしまった。 皇室では内
帑《ないど》を御|約《つづ》め遊ばすという。浜口蔵相は大整理を断行するという。銀....
「足迹」より 著者:徳田秋声
もあった。昔から油を絞って暮して来た母親の実家は、その時分村の大火に逢って、家も
帑蔵も灰になってから、叔父は残っていた少しばかりの田地を売って、やっと学校へ通っ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
った。然るに酒を被るときは剛愎にして人を凌いだ。信順は平素命じて酒を絶たしめ、用
帑匱しきに至るごとに、これに酒を飲ましめ、命を当局に伝えさせた。戸沢は当局の一諾....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
れ、ローマ帝ヴェスパシャヌスは公事に鉅万《きょまん》を費やすを惜しまなんだが、内
帑《ないど》を殖やすに熱心してその馬の糞を売り、太子チッスの諫《いさ》めに逢って....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
がためにそれによって支弁さるべき儀式を見合わせられるので、必ずしもこれをもって官
帑《かんど》全くむなしかったためのみということができぬからである。時には武家累代....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
あった。それを宮内大臣が明治天皇陛下に申上げられたところ、それほど大切な物なら内
帑の金で買ってやれ、と仰せになって御内
帑金二万円をお出しになって満洲の一切経を買....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
穴の戸口には柵が結ってあって、
一人々々が掘り出して、掻き集めているだけで、
内
帑はいつも明虚になっています。
中務卿
わたくしの方も随分不幸に逢ってい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
最前うかがった」 「さらに、みかど還幸の日となっても、建武の御新政始めには、御内
帑のくるしさ、ひと方ならず、楮幣(紙幣)を発兌して、おしのぎあったほどだが、その....