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帚
「帚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ざわめき出し、そうして雑草が靡き出した。 新葉を芽まない雑木林は、その枝を空へ
帚木のように延ばし、それを左右に打ち振った。また常盤木の群木立は、去年のままの暗....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろの願いとする神の住居にまで到り着いたが、あの木曾の名所図絵にもある園原の里の「
帚木」のように、彼の求めるものは追っても追っても遠くなるばかり。半生の間、たまり....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
るであろう、一間しかない小屋の中には、味噌桶、米俵、酒の瓶、塩鮭の切肉、醤油桶、
帚、埃取り、油壺、綿だの布だの糸や針やで室一杯に取り乱してあり、弓だの鉄砲だの匕....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
としておくから。 手拭と二銭銅貨を男に渡す。片手には今手拭を取った次手に取った
帚をもう持っている。 「ありがてえ、昔時からテキパキした奴だったッケ、イヨ嚊大明....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
御宴あり、『万葉集』に天平宝字二年春正月三日侍従、竪子《じゅし》、王臣等を召し玉
帚《たまばはき》を賜い肆宴《しえん》せしむ、その時|大伴宿弥家持《おおとものすく....
「源氏物語」より 著者:紫式部
しばらくは何も言わない。そして苦しそうに吐息《といき》をしてからまた女を恨んだ。
帚木《ははきぎ》の心を知らでその原の道にあやなくまどひぬるかな 今夜のこの心....
「源氏物語」より 著者:紫式部
お崩《かく》れになった翌年|常陸介《ひたちのすけ》になって任地へ下ったので、昔の
帚木《ははきぎ》もつれて行った。源氏が須磨《すま》へ引きこもった噂《うわさ》も、....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
、蓬々と草の茂った荒地で、遥か離れたところに、孟宗竹の林が立ってい、無数の巨大な
帚でも並べたようなその竹林は、梢だけを月光に薄明るく色づけ、微風に靡いていた。そ....
「雁」より 著者:森鴎外
合せることは出来なかった。その又次の日は、いつも岡田の通る時刻になると、お玉は草
帚を持ち出して、格別|五味も無い格子戸の内を丁寧に掃除して、自分の穿いている雪踏....
「反省の文学源氏物語」より 著者:折口信夫
した物語と言う意味で、昔から「源氏の物語」又は「ひかる源氏の物語」と言っていた。
帚木の巻のはじめに「光源氏、名のみこと/″\しう言ひけたれたまふ。……」と書かれ....
「西瓜」より 著者:永井荷風
の法を実行する事については寸毫《すんごう》も怠る所がなかった。 わが亡友の中に
帚葉山人《そうようさんじん》と号する畸人《きじん》があった。
帚葉山人はわざわざわ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
等
道は遠いが広さも広い。
おし合いへし合いせいでも好かろう。
熊手が衝っ衝く。
帚が引っ掻く。
赤子は噎せるし、お袋らはじける。
男の魔。半数合唱
こっ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
没しない中《うち》から家を出るが、実は行くべきところ、歩むべきところが無い。神代
帚葉翁《こうじろそうようおう》が生きていた頃には毎夜欠かさぬ銀座の夜涼みも、一夜....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
み、両耳が垂れ、そうして悠揚と突っ立っていた。糞尿に黒く湿ったその床も、それでも
帚の目がよく届いていた。青草のにおいもした。 他の牧舎には耕馬もいた。内国産ア....