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帛
「帛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
る様子で舞いつづけた。
「愛さんちょっとお待ち」
といった葉子の声は低いながら
帛《きぬ》を裂くように疳癖《かんぺき》らしい調子になっていた。別室に妹の駆け込ん....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
れた片隅にある机の方を差した。なるほど積まれた本と本との間の極く狭い空地に、ボロ
帛を下に敷いて見覚えのある時計とニッケル貨幣とがチョンと載っていた。 「用が済ん....
「振動魔」より 著者:海野十三
るわ」 ピシャリと、柿丘の頬に、生まぬるいものが当ると、耳のうしろを掠めて、手
帛らしい一|掴ほどのものがパッと飜って落ちた。 「吁ッ――」と声をあげて、柿丘は....
「ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
かを蹴とばした。懐中電灯で探してみると、それはダンディ好みの點火器だった。彼は手
帛をだして、それを拾いあげると、ポケットに収いこんだ。これも事件の謎をとく何かの....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
様に連絡をつけて話をしないと、どうも面白味が出てこない」 軍医はポケットから手
帛を探しだして汗を拭いた。このとき南に面した硝子窓が、カタコトと鳴って、やがてパ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
はないようだ。今度、演習に出かけると云った。ばあさんには、なんだか、軍艦のついた
帛紗をよこし、皆で喰えと云って、錨せんべいの、でかい缶を送って来たので驚いたよ。....
「赤外線男」より 著者:海野十三
「延髄を一と突きにやられている……」 「太い鍼だッ」 「指紋を消さないように、手
帛でも被せて抜けッ」 「これは抜けますまい」と帆村が云った。 なるほど、力の強....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
なかった。 気の迷いだったかしら、と私はアパートの裏口へ引返した。ハンドルに手
帛を被せてグッとひねると、ガチャリと外れて扉は内部へ開いた。さてはと思って、充分....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
マドンナ、ジュリアのために乾杯だ!」 「うわーッ」 その声に迎えられて、真黒な
帛地に銀色の装飾をあしらった夜会服を着た赤星ジュリアが、明るいスポット・ライトの....
「蠅男」より 著者:海野十三
活動フィルムであった。 池谷医師はそのフィルムを受取って大きく肯くと、それを手
帛に包んでポケットのなかに収めて、そして連れの女を促して、足早に遊戯室を出ていっ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
ね。探偵商売もこれじゃ芯が疲れるわい」 土居は八雲千鳥に替って、ポケットから手
帛《ハンカチ》を出して自分の額の汗を拭いた。帆村は土居を奥の書斎へ導いた。そこは....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
よ」 「えッ。何だって?」 「証拠ですよ」と云いながら私は大事にしまってあった手
帛の包みをとり出しました。「これを見て下さい。兄さんが気を失った室の硝子窓のとこ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
つも社殿の修理その他に心をくばり、又お祭でも催される場合には、必ず使者を立てて幣
帛を献げました。何にしろ婦女の亀鑑として世に知られた御方の霊場なので、三浦家でも....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
死んだあとではもう誰一人阿 Quei の噂をする者がないので、どうして「これを竹
帛に著す」ことが出来よう。「これ竹
帛に著す」ことから言えば、この一篇の文章が皮切....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
も、堂内の装飾は平常に異なるを覚えず。ただその平常に異なるは、礼壇を覆うに黒色の
帛布を用うるのみ。ローマ宗の寺院はこれに反し、堂内別にヤソ処刑の礼壇を設け、その....