師の坊[語句情報] » 師の坊

「師の坊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

師の坊の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
晴れの知識となりすました。彼は自分の道心が定まって、もう動かないのを自覚すると、師の坊の許しを得て、諸人救済の大願を起し、諸国雲水の旅に出たのであった。 美濃....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
侶の身分で女と心中したと謳《うた》われては、自分の死後の恥ばかりでなく、ひいては師の坊にも迷惑をかけ、寺の名前にも疵が付く。破戒の若僧もさすがにそれらを懸念して....
続獄中記」より 著者:大杉栄
こういった冬の、また千葉でのある日のこと。教務所長という役目の、年老った教誨師の坊さんが見舞いに来た。 監獄にはこの教誨師という幾人かの坊さんがいる。とこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
手に手をとって駈落を決行したが、その時、若い美僧は、重々悪いこととは知りながら、師の坊の手許《てもと》から若干金を盗み出し、それを後生大事に財布に入れて肌身につ....
曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
弓の遠矢は目にもとまらず谷を渡るというグアイで、箱根の山は連日噴火か地震のよう。師の坊もたまりかね、 「お前も大人になる年頃だから京都へ行って得度して一人前の出....
犬神娘」より 著者:国枝史郎
問われたら?」 「薩摩の出家じゃと申せばよか」 「それにしては言葉がちとな」 「師の坊は幼少より京都におわし、故郷に帰らねばとこう申せばよか」 「なるほど、上人....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
殺し、まだその外に殺人をした。また常楽院天忠となると、坊主の癖に不埓千万、先住の師の坊を殺したあげく、天一という小坊主をさえ殺したのだからな。藤井左京も十歩百歩....
枯尾花」より 著者:関根黙庵
。 ◎山城の相楽郡木津辺の或る寺に某と云う納所があった、身分柄を思わぬ殺生好で、師の坊の誡めを物ともせず、例も大雨の後には寺の裏手の小溝へ出掛け、待網を掛けて雑....
三国志」より 著者:吉川英治
のように消え失せてしまった。 しかしその後も、月の夜、雨の夜、庵を叩いて、 「師の坊、高教を垂れよ」 とたびたび人の声がするというので、玉泉山の郷人たちは相....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ださる。 だから覚一も、しごく気やすく馴じんでいたところ、或る折、庵の下僧に、師の坊の経歴を聞かされて、彼は、まったくびっくりしてしまった。 師の名は疎石、....
大岡越前」より 著者:吉川英治
の元兇とは、いったい何者なのか、どこにいるのか。 彼以外、知る者はない。いや、師の坊鉄淵と兄の主殿と、そして極く少数だけは、知っていたらしくもあるが、それと、....