師走[語句情報] » 師走

「師走〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

師走の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
《ひつぎ》をのせた葬用馬車は一|輛《りょう》の馬車を従えたまま、日の光も落ちない師走《しわす》の町を或火葬場へ走って行った。薄汚い後の馬車に乗っているのは重吉や....
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
の小屋の側に寄せかけてあった。僕はこう言う町を見た時、幾分か僕の少年時代に抱いた師走《しわす》の心もちのよみ返るのを感じた。 僕等は少時《しばらく》待った後、....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
文政《ぶんせい》四年の師走《しわす》である。加賀《かが》の宰相《さいしょう》治修《はるなが》の家来《け....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
彼の眼は冴えていた。彼は蒲団の上に起き直って、両手を膝に置いてじっと考えていた。師走の江戸の町には、まだ往来の足音が絶えなかった。今夜の霜の強いのを悲しむように....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
音や、甲《かん》走った蓄音機のひびきや、それらの色彩と音楽とが一つに溶け合って、師走《しわす》の都の巷《ちまた》にあわただしい気分を作っていた。 「もう数《かぞ....
蠅男」より 著者:海野十三
「蠅男」事件の発端であったのだ。 妙な臭い 大阪人は早起きだ。 それは師走に入って間もない日の或る寒い朝のこと、まだあたりはほの明るくなったばかりの午....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
双六だけでも十種、二十種の多きに達して、それらが上に下に右に左に掛け連ねられて、師走の風に軽くそよいでいる。しかもみな彩色の新版であるから、いわゆる千紫万紅の絢....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
を主人夫婦にささやいた。 その下男は夜半に一度ずつ屋敷内を見まわるのが役目で、師走の月の冴えた夜にいつもの通り見まわって歩くと、裏手の古井戸のそばに二人の女の....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
師走三日 岡引虎松は、師走の三日をことのほか忌み嫌った。 師走の三日といえば....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
十二 「今からちょうど三年前。……その年は、この月から一月|後の師走の末に、名古屋へ用があって来た。ついでと言っては悪いけれど、稼の繰廻しがどう....
露肆」より 著者:泉鏡花
たり、凸凹としたどの店も、同じように息が白い。むらむらと沈んだ、燻った、その癖、師走空に澄透って、蒼白い陰気な灯の前を、ちらりちらりと冷たい魂が※の中から、朦朧....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
処へも聞き合わせに行くつもりだと、清次郎は頼りなげに云った。彼のそそけた鬢の毛は師走の寒い風にさびしく戦慄いていた。 「じゃあ、まあ試しに行って御覧なさい。わっ....
獄中消息」より 著者:大杉栄
強の機会があるだろう。 仙境なればこそ、こんな太平楽も並べて居れるが、世の中は師走ももう二十日まで迫って来たのだね。諸君の歳晩苦貧のさま目に見えるようだ。僕は....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
「十番雑記」の一文はどれにも編入されていない。傾きかかった古家の薄暗い窓の下で、師走の夜の寒さに竦みながら、当時の所懐と所見とを書き捨てたままで別にそれを発表し....
越年」より 著者:岡本かの子
し立てた。 「うん俺達も、銀ブラするときは気を付けよう。佐藤さんしっかりやれえ」師走の風が銀座通りを行き交う人々の足もとから路面の薄埃を吹き上げて来て、思わず、....