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師風
「師風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
師風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
得意になっていうのです。僕もM侯爵の平民的なことはかねがね聞いていましたが、写真
師風情を捕まえて、こんなに自由な冗談をいうほど気軽なことに、たいへん好感を持ちま....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
抜けめと自ら嘲った。けれども、結婚は少くとも校長級の家の娘とする予定だった。写本
師風情の娘との結婚など夢想だにしなかったのではないか。僅かに、お君の美貌が彼を慰....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
な奴が覗いたものだ」越前守は苦笑した。 「頭巾を冠り袖無を着、伊賀袴を穿いた香具
師風、城内の武士とは思われない。……ははあ、大奥のお伽衆だな」 その時スッスッ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
は口を揃えて進んで事実を話して呉れた。 彼等の云う所によると、殆ど日曜毎に宣教
師風の男が駅の車で会社に乗りつけて、締っている口を開けて這入り、沢山の書物を積ん....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
音でもあると考える。さて最後に鋭き表現力だ。 殊に近代の画家は、先生のいわゆる
師風を継承する必要もなく、狩野元信の元の一字を頂戴する必要もない。
師風である処の....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
私は今現代哲学に就いて、教
師風の説明を与えることを目的としているのではない。無論おのずからそういう結果にな....
「辞典」より 著者:戸坂潤
動法則は決して自然法則そのままでもなければ、又それの単なる変容でもない。だから医
師風の社会観や社会政策論や、社会ダーウィン主義などは、社会科学としては根本的な誤....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
浪士が、あまり近く濠端《ほりばた》に進み過ぎていることと、それともう一つは、道中
師風の若い奴が、従者にしてはイヤにやにさがっているのが気になります。濠端に進み過....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
へ走って行った。 そこは林のずっと奥で、丘になろうとする傾斜地であったが、香具
師風をした八九人の男が、一人の娘を真中に取り込め、口汚く罵っていた。その娘はお錦....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
く坐ったまま一礼した。 「大儀ではあるが衆を率い、同じく造庭境の入口へ参り、香具
師風の男女をひっ捕らえ、ここまで連れて参るよう」 「かしこまりましてございます」....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
の前から、深く俯向いていたがために、秋安には顔が見られなかった。そうして姿は香具
師風である。萩野であることが何で判ろう。で、ゆるゆると行き過ぎた。 が、お紅は....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
議な光景が見えた。 月光に薄光っている沼の上を、飛加藤の亜流という老人が、植木
師風のお八重を連れ、まるで平地でも歩くように、悠々と歩いて行くのであった。重なっ....
「想い出」より 著者:佐藤垢石
る日、朝飯をゆっくりすませて、国道の木橋の上手の釣り場へ行ってみると、一人の職漁
師風の老人が私の佇む岸より少し上手の荒瀬で友釣りをしていた。私はいつものとおり、....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
《かたすみ》に小さくなって兵卒が二人、折革包《おりかばん》を膝《ひざ》にして請負
師風《うけおいしふう》の男が一人、掛取《かけと》りらしい商人《あきんど》が三人、....
「雨」より 著者:織田作之助
罵ったが、しかし、結婚は少くとも校長級の娘とすることに決めていた筈であった。写本
師風情の娘との結婚など、夢想だに価しなかったのである。僅にお君の美貌が彼を慰めた....