席捲[語句情報] » 席捲

「席捲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

席捲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
種の透視的な驚異を帯びてきて、それから村里から村里の間を伝わり、やがて江戸までも席捲《せっけん》してしまったというのが、そもそもの始まりである。その事は「馬死霊....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
に於ける対仏作戦は、御承知の通り開戦初期は破竹の勢いを以てベルギー、北フランスを席捲して長駆マルヌ河畔に進出し、一時はドイツの大勝利を思わせたのでありましたが、....
小田原陣」より 著者:菊池寛
く誅伐を加へざるべからず云々」 実に秀吉一流の大見得である。勅命を奉じて天下を席捲せんとする其の面目が躍如として居る。 この氏直は氏政の子であって此の時の責....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
パア事件は、鮮血の颱風《たいふう》のようにイースト・エンドを中心にロンドン全市を席捲《せっけん》した。ジャックは、魔法の外套を着た通り魔のように、暗黒から暗黒へ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
る。道庵の引掻き廻しも怖いが、お角親方なるものは、大阪をはじめ、全関西の興行界を席捲《せっけん》するのはらを抱いて乗込みかねぬ奴である。彼等が京大阪の根拠地に侵....
丹下左膳」より 著者:林不忘
さい。わしも寝所へ入るとしましょう」 と言ったが立ちあがりもしない。 府内を席捲《せっけん》しつつある袈裟掛けの闇斬《やみぎ》り! それよりも、なにか庭に....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
る。チムールやジンギスカンというような偉大な征服者は、さながら旋風のように地上を席捲《せっけん》して、宇宙を併合しようと努力した。そして、これらの人々も無意識に....
三木清を憶う」より 著者:豊島与志雄
深く残っているのは、ヒットラーに就いての三木の予言である。ドイツ軍がポーランドを席捲したあの頃の軍績華かな時に、三木は断言した――ヒットラーは自殺する。 ナチ....
立札」より 著者:豊島与志雄
賊ともいいますが、とにかく完全に武装した強力な一隊の軍勢が、村々町々を魔風の如く席捲しつつ、今明日にもこの町に迫って来るとのことでありました。そのためかどうか、....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
。日蓮は世相のただならぬことを感じた。また実際国外には支那を統一し、ヨーロッパを席捲した元が日本をうかがいつつあったのであった。 こうした時代相は年少の日蓮に....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
舎豪傑だけの智恵も分別もないのだね。 彼が生れて育った少年時代は、信長が天下を席捲し威名カクカクたる時代であった。信長の威風や逸話は事ごとに馬よりも速く奥州の....
土から手が」より 著者:牧逸馬
マン・ジェネラル病院勤務を命じられたが、同年秋、例の西班牙風邪が亜米利加中西部を席捲した時、アイネは抜擢されてキャンザス州フォウト・ライリィ Fort Rile....
母と娘」より 著者:岡本かの子
の大演習を見に行きました。六百台余の重爆撃機が天地を震撼させて進軍する様は世界を席捲するが如く感じました。とても英国なんか敵えそうもないような気がしてじりじりし....
人形芝居に関するノオト」より 著者:竹内勝太郎
も優勢な近代劇術(照明と舞台装置)と音楽とを伴っていたので、忽ち巴里劇壇の一部を席捲して、確固とした地歩を占めた。加之、直ちにこれの追従者と模倣者とが現れたのを....
牢獄の半日」より 著者:葉山嘉樹
コンベヤーで、運び上げ、啜《すす》り啖《くら》い、轢殺車は地響き立てながら地上を席捲する。 かくて、地上には無限に肥った一人の成人と、蒼空まで聳える轢殺車一台....