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「帯く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帯くの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:徳田秋声
上におかれた板を取りあげながら、身装のこざっぱりした二十四、五の女中に訊ねた。世帯くずしらしいその女中は、どこかに苦労人のようなところのある女であった。 「どう....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
滝浴みという順序だが、横着には汽車を利して王子までを一飛び、滝の川に臨める水亭に帯くつろげて汗を入れ、枝豆、衣かつぎの茹加減なを摘み塩つけて頬張った上、さてそろ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
次第。 あなたにはお気の毒さまですが、こうやって無いというところに落付いて、世帯くさいいろんなものをさらりとすてて、又女学生になったような気分で、仕事考えてい....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
いたが、どこにか小粋なところがあって、人間もはきはきしていた。年はもう廿七八の世帯くずしらしい女で色のあさ黒い、眼つきのちょっと可愛らしい、まずここらの宿の女中....
女と帽子」より 著者:豊島与志雄
せんでしたね。さすがは、根が料理屋の娘だし、南国の女ですね。それに元来、堅気の世帯くずれの女ってものは、一度解放されると、特殊な面白い点が出てくるものですからね....
風波」より 著者:井上紅梅
「わしは命あって七十九のきょうまで生き延びたが、あまり長生きをし過ぎた。わしは世帯くずしのこのざまを見たくはない。いっそ死んだ方が増しじゃ。もうじき御飯だという....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
郭だった。一日、私のめぐりあった女は、三十近いつつましやかに美しい東京生まれの世帯くずしで、一応の文字もあり、寂しい野辺の花に似た感じが忘れられなくて再び訪れた....