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帯封
「帯封〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帯封の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ゅう》に届いていた郵便へ眼を通した。その一つは野村《のむら》の手紙で、もう一つは
帯封に乞《こう》高評《こうひょう》の判がある『城』の今月号だった。
俊助は野村....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
留まった。おれは西南戦争の錦絵を見ていると、※麻は店前《みせさき》に出してある、
帯封のしてある本を取り上げて、店番の年増にこう云うのである。 「お上さん。これを....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ったが豹一はろくろく聴いていなかった。 翌日九時に出社すると、いきなり郵送用の
帯封へ宛名を書かされた。正午まで打っ続けに三時間書いた。購読者だけでなく、宣伝用....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
下宿を登坂や田中のいた月島に移してからは、ほとんど毎日学校の往復に寄って、雑誌の
帯封を書く手伝いなどして一日遊んでいた。 六 平民社は幸徳と堺と西川光二....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
私たちの勤めさき。旧館の二階の日本間に、机を八ツ程あわせて、私たちは毎日せっせと
帯封書きだ。今日は、鹿児島と熊本を貰う。まだ時間が早いので、窓ぎわで池田さんと、....
「一本の花」より 著者:宮本百合子
も廊下と同じように白けた床の上に、大きな長|卓子《テーブル》があった。書きかけの
帯封が積んである場所に人はいず、がらんとした内で、たった一人矢崎が事務を執ってい....
「棄てる金」より 著者:若杉鳥子
早速来意を告げて、懐中から例の紙幣を取り出した。 新しい五円紙幣二十枚、括った
帯封には、親戚の老人の手で、 一金一百円也 永代経料 × × 寺 殿 ....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
れ、その名の叢書も刊行され、それらの小説集の表紙には時の農林大臣有馬頼寧の写真が
帯封の装飾として使われるという前例のない有様を呈した。 近代及び現代の日本文学....
「酒ぎらい」より 著者:太宰治
売りではないかとさえ疑った。家内にも言いきかせ、とにかく之は怪しいから、そっくり
帯封も破らずそのままにして保存して置くよう、あとで代金を請求して来たら、ひとまと....
「文学的自叙伝」より 著者:林芙美子
も思わず、私は、大正十一年の秋、やっと職をみつけて、赤坂の小学新報社と云うのに、
帯封《おびふう》書きに傭《やと》われて行きました。日給が七拾銭位だったでしょう。....
「条件反射」より 著者:豊島与志雄
にはなれそうもない。」 襯衣の釦 某君が他の同志たちと共に、懸命に
帯封書きをやっていた時のことである。一種の非合法性を持った印刷物の
帯封で、その晩....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
って、その上に、世界中のあらゆる新聞、……ベルグラードやサラエボの夕刊新聞までが
帯封をしたまま、堆高く積まれてあった。 どうしたのか、子供はなかなか帰って来な....