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帯際
「帯際〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帯際の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
。それで私は起き上ってお母様の方へ行こうとしましたが、いつの間にか私はお父様から
帯際《おびぎわ》を捉えられておりまして、息が止まるほど強く畳の上に引き据えられま....
「笑う唖女」より 著者:夢野久作
の両手を払い除《の》けて飛退《とびの》こうとしたが、間に合わなかった。ガッシリと
帯際を掴んだ女の両腕を、そのまま逆にガッシリと掴み締めると、眼を真白く剥《む》き....
「蟇の血」より 著者:田中貢太郎
、待ってください、あなたは非常にお困りのようだ) 彼はとうとう女に近寄ってその
帯際に手をかけた。 (僕はさっきお眼にかかった三島と云う男です、あなたは非常にお....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
うこ》りのねえ奴等だ――」
島抜け法印は、そう呟くと、面倒そうに、二人の雲助の
帯際をつかんで、左右にひッさげて、のッしのッしと、出口まで歩いて、
「婆さん、戸....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
「誰もこわいことはせぬ。静かにしないか! 馬鹿な奴じゃ!」 と叱りつけながら、
帯際をとって、彼の膝元に引き据えようとして、一生懸命に力を入れた。 水をたたえ....
「風に乗って来るコロポックル」より 著者:宮本百合子
も忘られない名にハッと注意を引かれて、傍を見ると、二人の知己《しりあい》が自分の
帯際をしっかりと捕えて、足を踏張りながら、後へ後へと引っぱっているではないか。 ....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
、無料だろうと思って行ったのが一生のアヤマリ。女郎屋の敷居を跨がないうちに吾輩の
帯際を捉まえて、グイグイと引っぱり戻した奴が居る。鯉のアタリよりもチット大きいな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
お豊坊」 鍛冶倉の背後《うしろ》には、さっきから女が一人、泣き伏している、その
帯際《おびぎわ》を取った鍛冶倉。 馬上の武士に鉄砲で脅《おどか》された七兵衛は....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
も渠は聞かざる真似して、手早く鎖を外さんとなしける時、手燭片手に駈出でて、むずと
帯際を引捉え、掴戻せる老人あり。 頭髪あたかも銀のごとく、額|兀げて、髯まだら....
「忘恩」より 著者:田中貢太郎
戸の口に近くなると、その口になった岩に両手を掛けた。そして、一きざみすると身体は
帯際まで上に出たのであった。 数千匹もいるであろう数多の猿が、五六間さきの楢の....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
しものだったので、馬へ乗って先方へ輿入れの途中、大雨に濡れた。ために満座の中で「
帯際から下がずたずたに切れ」た。「湯巻《ゆもじ》を新しく買うのを忘れたとみえ、十....
「活人形」より 著者:泉鏡花
しさ。あれ、と前褄引合して、蹌踉ながら遁げんとあせる、裳をお録が押うれば、得三は
帯際取って屹と見え。高田は扇を颯と開き、骨の間から覗いて見る。知らせにつき道具廻....
「春心」より 著者:田中貢太郎
た。 「こ、これは、まあ、なんと云うことだ、狼の噛みあうように」 広巳は双子に
帯際に掻きつかれながら、俯伏に倒れた紺の腹掛の上に馬乗になっていた。 「く、く、....
「女の怪異」より 著者:田中貢太郎
るところであった。それを見ると政雄の好奇心が動いて来た。政雄はそっと右の手を女の
帯際にやった。と温な指がそれにかかった。政雄は反響があったと思ったので、三足ばか....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
れに離してしまったものらしく、次の瞬間には、 「こん畜生」 眼をつぶって、敵の
帯際へ噛ぶりついていた。 死にもの狂いの歯と爪は、相手の急所を制して離さなかっ....