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「帯革〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帯革の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さようなら」より 著者:田中英光
憎悪から反って面白がって見物していたのだ。岡田はその日の行軍の途中、いつの間にか帯革ごと剣や弾盒も棄て、兵隊の魂、陛下の銃と事毎に強調される小銃さえなくしていた....
パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
靴を引きずりながら、草の上を進んだ。彼等は湿って水のある方へ出て行った。草は腰の帯革をかくすくらいに長く伸び茂っていた。 「見えるぞ、見えるぞ!」 右の踏みな....
ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
いると、丸顔の肥ったもう一人のお役人が磁石を出しかけたの。ところがそれがズボンの帯革に鎖がからまってなかなかはずれないの。肥っているから自分の腰の所がよく見られ....
謎の街」より 著者:松本泰
鼈甲《あかべっこう》のカフス釦《ボタン》とSTという組み合わせ文字の金具がついた帯革が一本入っていた、いずれも新しい品ではなかった。いったいだれがこんな古いもの....
怪塔王」より 著者:海野十三
いってしまいました。 「さあ、どうだ。うごけるなら、うごいてみろ」 怪塔王は、帯革でもって後手にしばられてしまいました。怪塔王は、すっかり元気がなくなって砂上....
空襲警報」より 著者:海野十三
中尉が叫んだ。そして懐中電灯の光でてらしだしたのは、死人の腹にまいてある幅の広い帯革であった。それには猟銃の薬莢を並べたように、たくさんのポケットがついていた。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 と言って駒井甚三郎は、肩にかけていた鉄砲を取って、彼の前に提出し、同時にその帯革の弾薬莢《だんやっきょう》を取外しにかかると、 「いや、違います、違います、....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
から、この子を君の後に乗せてあげ給え。」とダンスさんが言った。 私がドッガーの帯革につかまって馬に乗るや否や、監督官は命令を下し、一行はぽかぽかと早足で街道を....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
。 いずれも、胴着とズボンの間が、前の方だけ少し離れていて、そこから白い、大|帯革の裏が見えた。 「つまり艇長はいつも、この中に隠れていたのでしたが、その以前....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
はまもなく喇叭銃を武器箱の中へ戻し、それから、その中にある他の武器を検べ、自分の帯革につけている補充用の拳銃を検べると、自分の座席の下にある小さな箱を検べてみた....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
お前忘れやしないだろうね、リューバ? ほら、あの長い並木道が、まるで延ばした帯革のように、何処までも真直ぐに続いて、月夜の晩にはキラキラ光る。 お前覚えて....
魔都」より 著者:久生十蘭
るか、いずれにせよ、背筋の真下などで壁に接する筈はありません。……これがふつうの帯革でないとすれば一体なんです?……申し上げるまでもない、それは剣帯の端です。こ....
沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
無量の微笑、最早や凡べては畢《おわ》んぬ。海中に投じらるるも離れじと、妻は今己が帯革もて、余と児と自らを縛しつつあり。おお神よ、今し余らは御許に急ぐ――」 な....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
けなくも素早く取り上げてしまった。すると今度は受刑者のほうが、兵士が挟んでおいた帯革からそれらのハンカチを引き抜こうとした。ところが兵士のほうはゆだんがなかった....
」より 著者:神西清
とで、私のトランクを婦人待合室へ運び込んだ。馭者のニカノールは外套の裾を端折って帯革にはさみ、フェルトの長靴をはいて、全身雪でぐしょ濡れだったが、私の発つのが嬉....