帰り支度[語句情報] » 帰り支度

「帰り支度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帰り支度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
う、その問題をなお追究しようというような生徒はなかった。一同は立ったりいたりして帰り支度にせわしかったから。 柿江はとにかく戸沢が疑わしげながら納得《なっとく....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
容易にやめそうもなかったが、若い女たちは目白不動の鐘が四ツを撞《つ》くのを合図に帰り支度に取りかかって、その屋敷で手ごしらえの五目鮨《ごもくずし》の馳走になって....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
で、相手は一種の不安を感じて来たらしい。こうなっては詮議も無駄だと諦めて、半七は帰り支度にかかった。 「奥の怪我人には挨拶をせずに帰るから、あとで宜しく云ってお....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら話した。 「今日はこれで帰りましょう。おかみさんを大事におしなさい」と、徳次は帰り支度にかかった。 「ありがとうございます。就きましては、もう時分どきでござい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
午飯まで御馳走になっては相済まないと、わたしは慌てて巻煙草の袋を袂へ押し込んで、帰り支度に取りかかろうとするのを、老人は手をあげて制した。 「まあ、お待ちなさい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
金之助を憎からず思ったらしい。こうして、仲よく一夜を明かしたが、朝になって三人が帰り支度をしている間に、お八重と金之助とが何かふざけ出したらしく、女は男を打った....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
胸の奥に一種の不安が微かに湧き出して来た。女子供を多く連れている組では、そろそろ帰り支度に取りかかる者もあった。そのうちに或る船の船頭……それは老人で、さっきか....
食魔」より 著者:岡本かの子
い。医者は臨終は近いと告げた。看護婦もモデルの娘も涙の眼をしょぼしょぼさせながら帰り支度の始末を始め出した。病友は朦々として眠っているのか覚めているのか判らない....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
った。従妹一人は無頓着に独りで、あちこち波を掻き廻して居たが、あんまり早い一行の帰り支度に吃驚りして波から上ってきた。馬車が待たせてあった。長谷からH屋まで電車....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
りがとうございます。お呼び出しがあればきっと直ぐにまいります」と、惣八はあわてて帰り支度にかかった。 「だが、ちょいと待ってくんねえ」と、半七は声をかけた。「す....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
」と、横田君は言いました。 バスケットなどはそこにおいたままで、ふたりは早々に帰り支度をしました。日の暮れかかる頃に町へ戻って来てそのことを報告すると、店の人....
鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
ういつまで遊んでもいられないので、二、三日の後には引揚げようかと思って、そろそろ帰り支度に取りかかっているところへ、田宮夫人が来た。夫人はいつも下座敷の奥へ通さ....
怪獣」より 著者:岡本綺堂
中には東京へ引揚げよう。その途中、郷里へもちょっと立寄ろうなどと思って、そろそろ帰り支度をしていると、九月のはじめ、例の二百二十日の少し前でした。二日ふた晩もつ....
魚妖」より 著者:岡本綺堂
野の五つ(午後八時)の鐘がきこえた。 「おお、もう五つになりました。」と、馬琴は帰り支度にかかろうとした。 「いや、まだお早うございます。」と、有年は押し止めた....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
つつあった。その僧は男振りも立派で寧ろ美男だった。 夜のしらじら明けに国太郎は帰り支度をして二階の階段を降りて来た。河岸の商売を間に合せるには、どうしてもこの....