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「帰り路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帰り路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
階段」より 著者:海野十三
何を研究したものかと考え始めたが、一向に纏りはつかず、考えれば考えるほど、今日の帰り路は、どう取って、定刻までに信濃町まで出たものかと、そればかりが気になりだし....
三人の双生児」より 著者:海野十三
たいへん面喰らったこと、そのとき北海道の大学へ打合わせにゆく途中だったので、また帰り路に寄ればいいと思ってそう云い残してさようならをしたことなどを語った。それを....
自叙伝」より 著者:大杉栄
。僕が甲組第一のあばれもので、彼は乙組第一のあばれものであったのだ。僕はその日の帰り路があぶないと思った。そしてひそかに、習字の紙の圧えにする鉄の細長い「けさん....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
と思いながら、香を手向けて去ろうとすると、入れ違いに来て磬を打つ参詣者があった。帰り路で、ある店に立ってゆで栗を買うと実に廉い。わたしばかりでなく、東京の客はみ....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
」 「あれは五年前の八月の晩だったわ。お母さまとお風呂《ふろ》へいったのよ。その帰り路、竹藪《たけやぶ》のそばを通っているとね――あら、あれなんでしょう、ねえ東....
鴛鴦鏡」より 著者:岡本綺堂
村との境にある弁天の祠のそばを通った。当夜の非番で、村の或る家の俳句会に出席した帰り路である。連れの人々には途中で別れてしまって、町の方角へむかって帰って来るの....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
がてその鷹と鴨とを臂にして泳ぎ戻って来たので、将軍はことのほかに賞美された。その帰り路に、とある民家の前にたくさんの米俵が積んであるのを将軍がみて、あの米はなん....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
どうしてここらを歩いているかというと、それは親戚に不幸があって、その悔みに行った帰り路であった。本来ならば通夜をすべきであるが、盆前で店の方も忙しいので、いわゆ....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
ったのですが、その出家は鎌倉でも五山の一つという名高い寺のお住持で、京登りをした帰り路に、山越えをして北陸道を下らるる途中であったのです。お師匠さま――わたしは....
丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
が、別に証拠が上らぬので、詮議は打切にした。その為に出立が一日遅れたのであった。帰り路は山越しに熱海に出た。坂口屋弥兵衛方に一泊した。ここでまた驚くべき事実を発....
式部小路」より 著者:泉鏡花
店には誰も居なかった。昨日の今時分は、ここで柿の皮を剥いて食べた、正午まわりを帰り路の、真赤な荷をおろした豆腐屋があったに。 学生の姿が見えなくなると、小店....
御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
を急ぐのと、まだそれほどに暑くもないので、この柳を横眼に見るだけで通り過ぎたが、帰り路は午後の日盛りになるので、築地から銀座を横ぎり、数寄屋橋見附を這入って有楽....
秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
ると思いながら、香を手向けて去ろうとすると、入違いに来て磬を打つ参詣者があった。帰り路で、ある店に立ってゆで栗を買うと実に廉い。わたしばかりでなく、東京の客はみ....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
養のため欧洲へ遊びに行っていたのが、どうも思うようでなくひとまず帰朝と定り、その帰り路にシンガポールまで来ると急に気が変って、親友の公使を訪問|旁、気分転換のた....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
りながら、峰の背後などにいたため全く聴きとれないことなどもたまにはある。そうして帰り路に横道から姿を現わして来る粂吉に逢うようなこともある。私の呼ぶ声を聴き得た....