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帰る雁
「帰る雁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰る雁の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
くべきは蕪村が一句の結尾に「に」という手爾葉《てには》を用いたることなり。例えば
帰る雁《かり》田毎《たごと》の月の曇る夜に 菜の花や月は東に日は西に 春の夜や宵....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
かりの福助のお軽と立ちならんで、ちっとも不釣合いにみえないのみか、“いつか故郷へ
帰る雁”などはお軽以上に柔かくしなやかに見えたのは、さすがに菊五郎だと感服させら....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
つであるが、ここには専らこの吉野朝の柱石であられた親王の御歌だけを掲げて置こう。
帰る雁なにいそぐらん思ひ出でもなき故郷の山と知らずや 故郷は恋しくとてもみ吉野の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
らしく三日目の今夜は、薄雲の裡に、ぼやっと、真珠色の月が溶けている。秋に来て春に
帰る雁が、こよいも日本を去ってゆくとみえ、雲間に時々啼き声を捨てている。 「……....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いたずらに過ぎてしまう。
――はや暁に近いせいか、間の抜けた啼き声をこぼして、
帰る雁が六、七羽、山の背を越えて行った。
「雁が……」
武蔵はつぶやいた....