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帰一
「帰一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
もソ連の参戦、原子爆弾のことの方が重大となったので、このことを検討す。 「天皇に
帰一し奉れ」という湊君の説、「生きぬいて作家として新しき日本を作る基礎をつくれ」....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
三位中将 今般版籍奉還の儀につき、深く時勢を察せられ、広く公議を採らせられ、政令
帰一の思し召しをもって、言上の通り聞こし召され候事。 とある。 これは新政府....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
以上を語れば、孔子釈子同じ事なり」といっている。 抽斎は終に儒、道、釈の三教の
帰一に到着した。もしこの人が旧新約書を読んだなら、あるいはその中にも契合点を見出....
「惜別」より 著者:太宰治
ても、ひとたび国難到来すれば、雛の親鳥の周囲に馳せ集うが如く、一切を捨てて皇室に
帰一し奉る。まさに、国体の精華である。御民の神聖な本能である。これの発露した時に....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
のである。社会共同態の観念もわれと汝と彼とをひとつの全体として、生を与うる絶対に
帰一せしむる基礎なくしては支えがたい。社会科学の前に生命の形而上学がなくてはなら....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ズム的政治権力の意志表示となることが出来る。皇道主義こそだから、日本主義の窮極の
帰一点であり、結着点なのである。之は、私が今まで分析しながら触れて来た一切の規定....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
までいる。数こそ少ないが、この船の中の人間と、その性格に至っては、紛然雑然として
帰一するということを知らない。 五月丸の乗組は、その信仰と結合に於ては一糸も紊....
「追憶」より 著者:宮本百合子
云えないでも彼の心はすっかり感じられる様になって二つの感傷的な心は、非常な調和と
帰一を見出し得て居た。 もうじき死のうとして居た彼の心には種々の霊感、感激、暗....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しい強固さと優しさと知に充ちている。私はその中にすっぽりと自分を溶かしこむこと、
帰一させてしまえるのがどんなにうれしく、楽しい想像だか分からないのです。もう自分....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
えば味覚に端を発していながらも、結局は特攻隊と同じような、支離滅裂な亢奮と絶望に
帰一するものらしい。 戸口をくゞる時から、梅木先生の覚悟はたゞ事ではなかった。....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
来るのだ。その結果内乱は終息し、日本の国家は平和となり、上下合一、官民一致、天皇
帰一、八|紘一|宇、新時代が生れるのだ」 21 安房守はじっと耳を澄ました。 ....
「寒山拾得縁起」より 著者:森鴎外
それを拒んで答えずにしまうのは、ほとんどそれは※だというと同じようになる。近ごろ
帰一協会などでは、それを子供のために悪いと言って気づかっている。 寒山詩が所々....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ものはそういう考察を要求するものとして、その実相をあるがままに捉えねばならない。
帰一と同時に開展する。そこに事象の具現性が見られる。巻くことが展げることと同義に....
「芳川鎌子」より 著者:長谷川時雨
理想論とになってしまったが、つまりいつも男性はあらゆる複雑さを通り越して、単純に
帰一させようとする純粋性というものにむかって突《つき》進むが、女性はある事に触れ....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
としている風格は今も昔も変りない。プランタンの出来るときは友人の石川伊十君や岡本
帰一君などと手つだいに行ったりしたのを覚えている。 ライオンへはその頃よく生ビ....