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帰休
「帰休〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰休の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
長! そう、そんなことをしていないで!」 青年訓練所を出た奴が、一年六カ月で、
帰休になると喜んでいた。それが出兵で、
帰休は無期延期だ。べそをかいた、その連中が....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
銃の上等兵は、少尉に鼓膜を叩き破られた兄を持っていた。何等償われることなしに兄は
帰休になって、今は小作をやっている。入営前大阪へ出て、金をかけて兄は速記術を習得....
「旅日記から」より 著者:寺田寅彦
っていた。どうもアフリカの内地から来る非常に細かい砂塵らしい。 午後乗り組みの
帰休兵が運動競技をやった。綱引きやら闘鶏――これは二人が帆桁の上へ向かい合いにま....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
いる太陽の都マドリッド。そこのグランド・ホテルではマタ・アリの隣室に、英国の若い
帰休士官が英雄|閑日月《かんじつげつ》を気取っている。名をスタンレイ・ランドルフ....
「新しい婦人の職場と任務」より 著者:宮本百合子
のある工廠で一挙に数百人の女工を求めて来たので、市の紹介所は、小紡績工場の操短で
帰休している娘たちを八王子辺から集めて、やっとその需要にこたえた状態である。 ....
「祭日ならざる日々」より 著者:宮本百合子
させるものであるか。ヨーロッパ大戦ののち書かれた多くの代表的文学作品は、塹壕から
帰休する毎に深められて行く男のこの憎悪の感情と寂寞の感情にふれていないものはない....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ども英雄の質が違う、例の『画史』に――恩赦ヲ蒙ツテ東照大神君ヲ駿城ニ拝シテ洛陽ニ
帰休ス――とあるのが笑わせる。何が恩赦だ、何が大神君を拝するのだ、家康には、永徳....
「根岸庵を訪う記」より 著者:寺田寅彦
いたが話が纏まらなかったと見えて間もなく商品陳列所の方へ行ってしまった。マニラの
帰休兵とかで茶色の制服に中折帽を冠ったのがここばかりでない途中でも沢山見受けた。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
典派で、またボナパルト派であった。彼はシャン・ダジール(訳者注 フランスの追放者
帰休兵らによって当時アメリカに建てられていた植民地)に金を出していた。村人の話で....
「氷河」より 著者:黒島伝治
。彼等と一緒に兵タイに取られ、入営の小豆飯を食い、二年兵になるのを待ち、それから
帰休の日を待った者が、今は、幾人骨になっているか知れない。 ある者は戦場から直....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
を一つだけ点《とも》した混沌たる紫色の薄明りの中に、赤い筒帽を冠ったアルジェリの
帰休士官、加特力《キャソリック》の僧侶の長い数珠《じゅず》、英吉利《イギリス》人....
「十八歳の花嫁」より 著者:織田作之助
ま休暇を得て戦地から帰って来た。○日ののちには直ぐまた戦地へ戻らねばならぬ慌しい
帰休であった。 久し振りのわが家へ帰ったとたんに、実は藪から棒の話だがと、ある....
「グーセフ」より 著者:神西清
暗くなって来た、間もなく夜だ。 無期
帰休兵のグーセフが、釣床から半分起きあがって、小声で言う。 「ねえ、パーヴェル・....