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「帰朝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帰朝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
彼女はパリに住んでいるうちにだんだん烈《はげ》しい懐郷病に落ちこみ、夫の友だちが帰朝するのを幸い、一しょに船へ乗りこむことにした。長い航海も彼女には存外苦痛では....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
人間になったような紳士でした。それが長い航海の間に、いつとなく私と懇意になって、帰朝後も互に一週間とは訪問を絶《た》やした事がないくらい、親しい仲になったのです....
或る女」より 著者:有島武郎
すると上陸を見合わせてそのまま帰るという事を聞いたが、もしそうなったら自分も断然帰朝する。気違いじみたしわざとお笑いになるかもしれないが、自分にはどう考えてみて....
或る女」より 著者:有島武郎
いうくらいならなぜ自分に一言《ひとこと》忠告でもしてはくれないのだ(ここで葉子は帰朝以来妹たちを預かってもらった礼をしに行っていなかった自分を顧みた。しかし事情....
星座」より 著者:有島武郎
ことを傾聴するようになったが、その結果としてその人は欧米への視察旅行を命ぜられ、帰朝すると、すぐいわゆる要路《ようろ》の位置についたというのだ。清逸はそれを聞い....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
、彫刻家、音楽家、――またそうした商人もあり、久しく美学を研究して、近頃欧洲から帰朝した、子爵が一人。女性というのも、世に聞えて、……家のお三輪は、婦人何々など....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
公となったのは、大学病院の内科に勤むる、学問と、手腕を世に知らるる、最近留学して帰朝した秦宗吉氏である。 辺幅を修めない、質素な人の、住居が芝の高輪にあるので....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
になった次第である。自分はちょうどこの教育勅語煥発の際にドイツから六、七年ぶりに帰朝し、いくばくもなくその教育勅語を解釈し、『勅語|衍義《えんぎ》』と題してこれ....
妖怪談」より 著者:井上円了
五日は当地に滞留いたしておらねば彼は帰らぬので、見ることができませぬ。しかるに、帰朝の日取りもきめあれば長々はとどまられませぬから、遺憾ながら、このことは知るこ....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
ン宗に混じて本邦に伝わりしといい、あるいは維新の際、日本人のアメリカにありしもの帰朝してその法を伝えたりというも、これまた信拠すべからざるを知る。なんとなれば、....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
までは緑雨はマダ紳士の格式を落さないで相当な贅をいっていた。丁度|上田万年博士が帰朝したてで、飛白の羽織に鳥打帽という書生風で度々遊びに来ていた。緑雨は相応に影....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
がるもんだから、我々は沼南夫人に顰蹙しながらも余りに耳を傾けなかった。が、沼南の帰朝が近くなるに従って次第に風評が露骨になって、二、三の新聞の三面に臭わされるよ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
項を混入せざるにあらず。そのうち往々政教上に必要ならざるものあるべしといえども、帰朝後意外に多忙にして、緩々訂正取捨するのいとまなければ、その日記中、草案のまま....
西航日録」より 著者:井上円了
、黽勉怠らず、昨今大いにその歩を進めたりという。他日、一大プロフェッサーとなりて帰朝あるは、今より期して待つべきなり。また同氏の宅において、河口慧海氏に会するを....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
事代理瀬川浅之進氏に面会す。五時乗船、驟雨ようやく晴る。領事館書記相原庫五郎氏の帰朝せらるるに会し、同乗してホンコンに向かう。江上に画船(船の周囲をえがきたるも....