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帰省
「帰省〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰省の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
……日の暮も秋のように涼しかった。僕等は晩飯をすませた後《のち》、この町に
帰省中のHと言う友だちやNさんと言う宿の若主人ともう一度浜へ出かけて行った。それ....
「星座」より 著者:有島武郎
しからず御容赦《ごようしゃ》くださるべく候なお明日は健康のいかんを問わず発足して
帰省いたすべき用事これあり滞在日数のほども不定に候えば今後の稽古もいつにあいなる....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
訪ねるものがある、但《ただ》し敦賀に一|泊《ぱく》とのこと。
若狭《わかさ》へ
帰省する私もおなじ処《ところ》で泊《とま》らねばならないのであるから、そこで同行....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
でも勝手に行くが可《よし》、また何処へも行かないでも可《い》い。このまま、今度の
帰省中|転《ころ》がってる従姉《いとこ》の家《うち》へ帰っても可《い》いが、其処....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
、と云って机の端へ置いて去った。例のスグカエレであるから、早速舎監に話をして即日
帰省した。何事が起ったかと胸に動悸をはずませて帰って見ると、宵闇《よいやみ》の家....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、欄干の処に居た。 広庭を一つ隔てた母屋の方では、宵の口から、今度暑中休暇で
帰省した、牛込桐楊塾の娘たちに、内の小児、甥だの、姪だのが一所になった処へ、また....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
い心になったのじゃないかと憤慨しかつさげすんだ。 したがって、しばらく目の僕の
帰省も大して愉快ではなかった。そして一カ月ばかりしてまた東京に帰った。 外国語....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
だけには、五つから十五までのまる十年間いた。その後も十八の時までは毎年暑中休暇に
帰省した。したがってもし故郷と言えばそこを指すのが一番適切らしい。 名古屋から....
「古狢」より 著者:泉鏡花
、外套氏としておく。ただ旅客でも構わない。 が、私のこの旅客は、実は久しぶりの
帰省者であった。以前にも両三度聞いた――渠の
帰省談の中の同伴は、その容色よしの従....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
な永田を見出すと、彼女は口惜しさに胸がいっぱいになるのだった。 「うれしかるべき
帰省――それがかくも自分に苦しいものとなったのもみんな叔父のためなのだ。叔父がこ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
て、またあの位、嫉妬深い人もないもんだね。 前にも談した通り、旦那はね、病気で
帰省をしてから、それなり大学へは行かないで、ただぶらぶらしていたもんだから、沢山....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
のよりよりごとに、度々倶利伽羅を越えたので、この時志したのは、謂わば第二の故郷に
帰省する意味にもなる。 汽車は津幡で下りた。市との間に、もう一つ、森下と云う町....
「故郷」より 著者:井上紅梅
感ずるほどうら悲しいものでもなかろう。これはただわたし自身の心境の変化だ。今度の
帰省はもともと何のたのしみもないからだ。 わたしどもが永い間身内と一緒に棲んで....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
人たちよりも、よっぽど優せていたよ。 七月の夏休みになって、妹の美智子は郷里へ
帰省する。僕の郷里は山陰道で、日本海に面しているHという小都会だ。僕は毎年おなじ....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
電報なり。愕然、大いに憂懼す。しかれども、公事を帯び羈客の身となる。ほしいままに
帰省なしがたきをもって、某官衙に生が病気届けを上呈し、倔強の車夫を呼び腕車に乗じ....