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帰納
「帰納〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰納の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「弓町より」より 著者:石川啄木
(まとまりのある詩すなわち文芸上の哲学は、演繹的《えんえきてき》には小説となり、
帰納的《きのうてき》には戯曲となる。詩とそれらとの関係は、日々の帳尻《ちょうじり....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
意の現象を如何に科学的に探究しても、心的活動そのものを掴むことは思いもよらない。
帰納法は記述にのみ役立つ。然し本体の表現には役立たない。この簡単な原理は屡※閑却....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
した三つの瘡痕に加えられたそれぞれの兇器が、犯行に使用された唯一の兇器である事に
帰納する。だから被害者の持っていたあの幾個所かの擦過傷は格闘の際現場に転っていた....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ジーグフリード※」これには、さすがの乙骨医師も唖然となってしまった。「もっとも、
帰納的に頭の狂っている男は、その標本を一人僕も知っているがね」
「いや、結局は比....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
のだ、エ何うだ恐れ入たか」大鞆は暫し黙考えて「成る程旨く考えたよ、けどが是は未だ
帰納法で云う「ハイポセシス」だ仮定説だ事実とは云われぬテ之から未だ「ヴェリフィケ....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
しかるに君はちゃんとこうして生きて居らるる。それならば君の心臓は盗まれていないと
帰納してよいじゃありませんか。どうです」 袋探偵は、若紳士に対して噛んで含める....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
』と申入れただけで、ドイツも亦、滅びざるを得ないであろう。これ、歴史上の事実から
帰納した最も正確にして且つ安全な作戦じゃ」 仲々一座の納りがつかないので、ゴン....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
がついたと言っていたが、その理由は私にも打ち明けなかった。ただいろいろのことから
帰納的に想像して、かの老執事が女主人公の暴れ出すのを折檻して取り鎮めるとともに、....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
年期に達したるものの恋愛論は、もはや恋愛とは呼べない情事的、享楽的漁色的材料から
帰納されたものが多いのであって、青年学生の恋愛観にとっては眉に唾すべきものである....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
する。仏々相照というようなことにもなるか知れないが、それでも困る。誰にでも見える
帰納的な表現が欲しいものである。芸術がただその事を能くする。 鶴見は聾になって....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
言すれば、法理はやはり哲学的に根本原理によって解釈さるべきもので、単に経験的に、
帰納的に解釈をしても、満足な解釈の得らるべき性質のものではない。人によっては法理....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
余輩のこの臆説がいよいよ証明せられるまでには、さらに多くの類例を求めて、その上に
帰納的論究が試みられねばならぬ。そしてもし反証が提出せられて、それが不成立になる....
「革命の研究」より 著者:大杉栄
た。そして彼等は大自然を訪ねて、熱帯のほとりにその秘密を探りに行った。その新しい
帰納的結論を得るために新しい基礎を求めに行った。 しかるに、政治や経済の方面で....
「日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
理づくりにおいても、もとより人であると深く信ずる。話はややもすると、人間の問題に
帰納するが、とにかく、料理は複雑であって単純ではない。上中下の生活者個々に美食と....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
が伊藤述史氏に言うたように(一四五頁)軍事学もまた当然民族の性格の影響を受ける。
帰納的であるクラウゼウィッツと演繹的であるジョミニーは独仏両民族の傾向を示すもの....