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帰路
「帰路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
れでも私はもう怒る勇気はなかった。引きはなすようにしてお前たちを母上から遠ざけて
帰路につく時には、大抵街燈の光が淡く道路を照していた。玄関を這入《はい》ると雇人....
「春昼」より 著者:泉鏡花
をしそうですね、危険、危険。」 出家は真面目に、 「何故でございますか。」 「
帰路には気を注けねばなりません。何処ですか、その財産家の家は。」 菜種にまじる....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
でしょうか。何も知らないのです」 としらっばくれていった。 その会が終っての
帰路《きろ》に、ポーデル博士は東助とヒトミにいった。 「今日のふしぎ国探検は、イ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
日ばかり降込められた、宿の出入りも番傘で、ただ垂籠めがちだった本意なさに、日限の
帰路を、折から快晴した浦づたい。――「当修善寺から、口野浜、多比の浦、江の浦、獅....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ま黙した事実があった。 ただ、あだには見過し難い、その二品に対する心ゆかしと、
帰路には必ず立寄るべき心のしるしに、羽織を脱いで、寺にさし置いた事だけを――言い....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ね。」 「お出でなさい。あなたは私のお客です。」と、ラザルスは言った。 二人は
帰路についた。そうして、長い夜は地球を掩い包んだ。 朝になって、もう太陽が高く....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
依拠のある仮作名であるか、一体ドコを指すのであろう。信乃が滝の川の弁天へ参詣した
帰路に偶然|邂逅ったように趣向したというのだから、滝の川近くでなければならないの....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
である。この人はとても話ずきで、それからそれへと話はつきなかった。 そこからの
帰路、芝居をみたのであった。中佐はその時、私の秘書に芝居を案内させましょうと言わ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
た。 その寮はッて聞くと、ここを一町ばかり、左の路地へ入った処、ちょうど可い、
帰路もそこだというもの。そのまま別れて遣って来ると、先刻尋ねました、路地の突当り....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
発見せしは、三月一日午後一時ごろなり。しかれども、この難にかかりしは、二十八日の
帰路なりしか、はた三月一日の朝なりしか、その際いまだ判然せざりし。これをもって、....
「迷信解」より 著者:井上円了
されて家に帰らざることがあると申しておる。ある日夕刻、一人の老僕、隣村に使いして
帰路、この森林の傍らに通りかかりしに、日いまだ全く暮れたるにあらざるに、にわかに....
「西航日録」より 著者:井上円了
過ぎてまたはれ、また陰り、出没変幻窮まりなく、その妙、実に言うべからざる趣あり。
帰路紅葉を採集し、チベット寺に休憩し、午後二時寓所に着す。当夜、康有為君の宅に遊....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
、実際の勢力は米国のごとくはなはだしからず。さらに埋葬地および動物園を一覧して、
帰路サベージクラブに立ち寄り、二、三の会員と談話を交ゆ。当日、郊外にて詠じたる一....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
。私たちは博多丸の特別三等船室に納まって思い出深い中国をあとに、いよいよ日本への
帰路についた。足かけ四年の大陸放浪生活であった。船が大陸を離れていくにつれ、私は....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
しい心になるかして、少しく活溌な身のこなしを見せる。 私は峰伝いに峠路へ下って
帰路に就こうとする。峠路で時々炭売の婦たちに出あうことがある。彼女等は一様に誰も....