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帰陣
「帰陣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帰陣の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
甘粕近江守 小荷駄(輜重)直江大和守 さて一般士卒には、 一、明十日御
帰陣の旨|仰出さる。尤も日短き故|夜更けに御立あるやも知れず 二、静粛に行進して....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
と和を講じた。秀吉即ち信孝の生母|阪氏並に三法師丸を受け取って、和を容れ、山崎に
帰陣した。三法師丸は安土城に入れ、清洲の信雄を移り来らしめて後見となした。天正十....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
民軍に軽くあしらわれた怒りは収らず、なかなか服しようとはせず、軍使三度到って漸く
帰陣した。大江口の松山に白旗多く見えるのを目懸けた鍋島勢も、白旗は単なる擬兵であ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の立つこと家運の傾く兆しならんと、信昌公には嘆じられたが、よし自ら試みんものと、
帰陣の後楯無しを着給い、善射の家臣武藤五郎七郎、小山田十郎、三枝式部、三人をして....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ら、そういうことなら当方から拙者|一人推参すると甚七郎は言って、ひとまず耕雲斎の
帰陣を求めた。そこで甚七郎は出かけた。新保宿にある武田の本営では入り口に柵を結い....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れてあったが、それでも百余の大砲を数えたという。旧旗下の臣も退城し、諸藩の兵隊も
帰陣して、尾州兵が城内へ繰り込んだ。そして、それぞれ警備の役目についた。実に慶応....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
して、領内の神ノ浦まで本陣を据えられたのであるが、毛利家が恭順したので、間もなく
帰陣せられた。そこでこの度は世子が藩主に代って出陣したいと幕布に願い、許可を得ら....
「三国志」より 著者:吉川英治
よる明断や予察が、実に、全軍の大きな運命をうごかしてくることになる。 文醜は、
帰陣すると、「袁将軍の命であるから」と称し、四分の一弱の兵を玄徳に分けて、二陣へ....
「三国志」より 著者:吉川英治
なるを得た。 しかし、この日の敗戦が彼の心に大きな痛手を与えたことは争えない。
帰陣の後、涙をながして、 「宋謙を失ったか」と、痛哀してやまなかった。 長史|....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
は不沙汰なここちであった。おととしは父を亡くし、去年の春にわたっては征地に暮れ、
帰陣いらいは、病をとなえてひきこもったまま、今日にいたっていたのである。 だが....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ん。珍重珍重。もうよい……。介、充分に休息をとれ」 この日頃であった。 介の
帰陣と、ほとんど、時をひとつに、播磨の赤松円心からの急使が、太宰府の営に着いてい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
廊のそとから大声でおくへどなった。 「直義でおざる。直義、ただいま近江の戦場より
帰陣いたしました」 「おう」 と、一房の障子の蔭で尊氏の声がした。 「帰ったの....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
を抜けて、密かに使いに通っていた備前の浮田直家の向背であった。 秀吉が但馬から
帰陣すると、信長の本軍は、一翼を加えたので、本格的に、三木城の攻囲にかかった。 ....