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帳
「帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
、煽風機も、何一つ目まぐるしく動いていないものはない。が、ただ、彼の視線だけは、
帳場机の後の女の顔へ、さっきからじっと注がれている。
女はまだ見た所、二十《は....
「河童」より 著者:芥川竜之介
や巡査の顔をじろじろ見ているのです。しかし巡査は怒《おこ》りもせず、腹の袋から手
帳を出してさっそく尋問にとりかかりました。
「お前の名は?」
「グルック。」
「....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
火と燃えて、消ゆるばかりぞ命なる。
下
夜、袈裟《けさ》が
帳台《ちょうだい》の外で、燈台の光に背《そむ》きながら、袖を噛んで物思いに耽って....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
た行長を後《あと》にしたまま、そっとどこかへ姿を隠した。行長は翠金《すいきん》の
帳《ちょう》の外に秘蔵の宝剣《ほうけん》をかけたなり、前後も知らずに眠っていた。....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
」先生は即座に「夢窓《むそう》だろう」と答えた。
――すると急に目がさめた。蚊
帳《かや》の中には次の間《ま》にともした電燈の光がさしこんでいた。妻は二つになる....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
扉を開けましたが、今|雪洞《ぼんぼり》の光に透《す》かして見ると、古びた錦の御戸
帳《みとちょう》の後に、端然と立っている御神体は、ほかでもない、この麻利耶観音な....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
な影を落して行くのが見えた。
「神山《かみやま》さんはいないのかい?」
洋一は
帳場机に坐りながら、店員の一人の顔を見上げた。
「さっき、何だか奥の使いに行きま....
「死後」より 著者:芥川竜之介
《じょう》の罎《びん》だのが並んでいる。その晩も僕はふだんのように本を二三冊|蚊
帳《かや》の中へ持ちこみ、枕もとの電燈を明るくした。
「何時《なんじ》?」
こ....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
ろうと思ったが、実際はそれと全く反対だった。ぐずぐずしていると、会葬者の宿所を、
帳面につけるのもまにあわない。僕はいろんな人の名刺をうけとるのに忙殺された。
....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
た。その恰好《かっこう》は贔屓眼《ひいきめ》に見ても、大川の水へ没するよりは、蚊
帳《かや》へはいるのに適当していた。
空虚の舞台にはしばらくの間《あいだ》、波....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
中の大机には白い大掛児《タアクワル》を着た支那人《シナじん》が二人、差し向かいに
帳簿を検《し》らべている。一人《ひとり》はまだ二十《はたち》前後であろう。もう一....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
一、語学の英露独など出来る事。但どの位よく出来るか知らず。 二、几
帳面なる事。手紙を出せば必ず返事をくれるが如き。 三、家庭を愛する事。殊に母堂....
「初雪」より 著者:秋田滋
どうか。名ばかりながら今は生きながえらえている哀れなこの五体は、柏の柩の底に、経
帳子にしようと自分が選んでおいたあの絹衣につつまれた白骨をとどめるのみで、あわれ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
も、自分のした講義の控も、諸学者と往復した手紙も、あるいはまた金銭の収入を書いた
帳面までも、王立協会に全部保存されて今日に残っている。 リボーの店には、外国か....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
物で、大きな教室が一つきりの粗末な丸太づくりだった。窓はガラス張りのもあったが、
帳面の紙をはぎあわせてあるのもあった。不在のときには、きわめて巧妙に、細枝でつく....