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帳内
「帳内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帳内の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
日はもうとっぷり暮れて、斗満の川音が高くなった。幕外は耳もきれそうな霜夜だが、
帳内は火があるので汗ばむ程の温気。天幕の諸君は尚も馳走に薩摩琵琶を持出した。十勝....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
く、よく馴らされてありしかば、この時のごとく声を揚げて二たび三たび呼ぶとともに、
帳内深き処|粛として物を縫う女、物差を棄て、針を措きて、ただちに謙三郎に来りつつ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
抜いた刀を、中段に構え、切っ先越しに、部屋の中を睨んだ。 見誤りではなかった。
帳内で灯っている燈の光で、橙黄色に見える紙帳が、武士の姿を朦朧と、その紙面へ映し....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
人とのみ採用せられしにはあらざりき。前顕佐伯部売輪のごときは、実に市辺押磐皇子の
帳内たりしなり。
帳内これを「トネリ」と訓ず。舎人あるいは近習・資人などとあるもの....
「三国志」より 著者:吉川英治
彼は、何者にも目をくれなかった。 ひたむきに、奥へ走った。 そして、秘園の
帳内を覗きまわって、 「貂蝉っ、貂蝉っ……」 と、彼女のすがたを血眼で捜し求め....
「三国志」より 著者:吉川英治
体はあきらかにふるえていた。酔もさめて顔は土気いろになっている。周瑜はまた、宴の
帳内へ彼を拉して、 「やあ幹|兄。すっかり酒気が醒めたようじゃないか。さあ、大杯....
「三国志」より 著者:吉川英治
、以来三日のあいだ、食もとらず、臣下にも会わなかった。――が、孔明だけは、強いて
帳内に入ることを乞い、まるで婦人のように悲嘆してのみいる玄徳を仰いで叱るが如く諫....
「三国志」より 著者:吉川英治
は孔明が祷りのまま息絶えてしまうのではないかという心配だけである。――で折々彼は
帳内の秘壇をそっと覗いていた。 孔明は、髪をさばき、剣を取り、いわゆる※を踏み....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
に閨の燈台にともされてあり、やがて、聟君が衾に入った次に、嫁の君も介添えされて、
帳内に入るのであるが、その灯は、三日の間、消さないでおく。 そして四日目、初め....