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「帳外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帳外の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
夏の一日 眼をさますと、真裸で寝て居る。外では最早|蜩が鳴いて居る。蚊帳外の暗い隅では、蚊が※々唸って居る。刎ね起きて時計を見れば、五時に十分前。戸を....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
外するに至ったに外ならんのである。一方公民権獲得の機を逸して、比較的後の世までも帳外浮浪の民として遺ったものでも、いつしか里人の文化を享得して一定の住所を有し、....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
でいるものは、そのやや土着的性状を具えて来たものと思われるが、それでもやはり戸籍帳外のものとしてしばしば警察官から追い立てを喰って他に浮浪せねばならぬ運命を免れ....
三国志」より 著者:吉川英治
帳か番犬のように、忘れ果てていたわけじゃない」と、慰めた。 時すでに、丞相室の帳外には、変を聞いて馳けつけてきた諸将がつめあっていたが、 「呂布どの、待たれよ....
三国志」より 著者:吉川英治
ず、あわてて出て行ったが、しばらくすると、兵に囲ませて、一人の美人をつれて来た。帳外の燭は、ほのかに閣の廊に揺れていた。 曹操は、佩剣を立てて、柄頭のうえに、....
三国志」より 著者:吉川英治
噛み、これわが生涯の過ち、あの雷怯子めにしてやられたり矣――と長嘆した。 時に帳外に声あって、 「丞相。何をか悔い給うぞ。それがしが一鞭に追いかけ、彼奴めをこ....
三国志」より 著者:吉川英治
、 「さては?」 と、愕きをなして、急に、周瑜の本陣へ急いで行った。――そして帳外にたたずみ、ひそかに主客の席をうかがっていた。 本来、この席へ招かれていい....
三国志」より 著者:吉川英治
望なのだ。これしきの負傷に、無用な気づかいはしてくれるな」 と、云い放ち、遂に帳外へ躍り出してしまった。 まだ癒えきらない後ろ傷の身に鎧甲を着けて、周瑜は剛....
三国志」より 著者:吉川英治
呂蒙はむくむくと起き出して、急にあたりを見まわした。 「陸遜。静かに云い給え。帳外にたれか聞いておるといかん」 「大丈夫。衛兵も退けてある。荊州の関羽は一方で....
三国志」より 著者:吉川英治
まする」 「うむ。まず鎧うたる武者、七々四十九人を選び、みな※き衣を着て、祷りの帳外を守護せしめい」 「はい」 「帳中の清浄、壇の供えは、人手をかりることはでき....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ではありませぬ。もっともこれ以外に、定住の地を有せず、家なくして浮浪している真の帳外、すなわち国民の一部に加わっておらぬものが沢山ありました。今日でも山家などと....
放免考」より 著者:喜田貞吉
る通り、各自本貫に帰ってもとの公民に立ち戻った筈ではあるが、犯人にはもともと戸籍帳外の浮浪民が多かった事でもあろうし、郷里に帰って正業につくというのはむしろ少数....