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「帳尻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

帳尻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
弓町より」より 著者:石川啄木
には小説となり、帰納的《きのうてき》には戯曲となる。詩とそれらとの関係は、日々の帳尻《ちょうじり》と月末もしくは年末決算との関係である。)そうして詩人は、けっし....
巡査辞職」より 著者:夢野久作
すと、養母《おっか》さんが寝床の中で銭を数えてから、ヨシヨシと云います。それが、帳尻の合っております証拠で……いつもの事です」 「そうかそうか。成る程……」 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
びに道路の修繕費、それに問屋場の維持に要する諸雑費というふうに。七か年を平均した帳尻を見ると、入金二百三十六両三分、銭六貫三百八十一文。支払い金四百十一両三分、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
し出した当時、すでに宿相続をいかにすべきかが一同の問題になったくらいだ。あの時の帳尻を見てもわかるように、七か年を平均して毎年百七十両余が宿方の不足になっていた....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
の儲けを吐き出すはおろか、長崎屋の、財産《しんだい》を半分にしてしまっても、まだ帳尻はうまるまい――なあ、広海屋さん、おぬしだとて、このわしと、まるまる赤の他人....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
肝心の材料がおおかた伐り尽くされてなくなった事がわかったそうである。政府で歳入の帳尻を合わせるために無茶苦茶にこの材木の使用を宣伝し奨励して棺桶などにまでこの良....
イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
或る一つの理論されたことになるのである。もしそうでなければ所謂批判とは単に論理の帳尻を合せることか、それでなければ一つの科学的漫談でしかない。 論理の政治的性格....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
屋敷へ火をつけたんだ」 「なるほど」 「火をつけて罪は奴等へなすりつけておいて、帳尻の合わねえところは焼いてしまった……おいおい、向うから役人みたようなのが来る....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
だそれだけでたくさんなのじゃから。できるだけのことをなされば、そのうちに、うまく帳尻が合ってきますのじゃ。あなたがそれほど深く、真剣に自分というものを知ることが....
立枯れ」より 著者:豊島与志雄
の消費とが、円滑に行われて、余計なものは単に通過させられるにすぎない。収支決算の帳尻がよく合っていくのだ。ところが、独身者の身体は、家計簿のない家庭のようなもの....
」より 著者:黒島伝治
持っている金額と、金銭出納簿(入営するとそれを記入することを云いつけられる。)の帳尻とが合っているかどうか、寝台の前に立たせられて、班の上等兵から調べられた経験....
入院患者」より 著者:ドイルアーサー・コナン
・フォレスト森林の中にある草原や、サウス・シーの海岸にある砂浜にあこがれていた。帳尻の合わなくなった銀行勘定が、私に祝祭日をのばさなくてはならないようにしてしま....
高瀬舟」より 著者:森鴎外
やもすれば月末になって勘定が足りなくなる。すると女房が内証で里から金を持って来て帳尻を合わせる。それは夫が借財というものを毛虫のようにきらうからである。そういう....
南国太平記」より 著者:直木三十五
とになると、お由羅とて容赦せぬからのう。そうそう、彼奴の江戸下りも近づいたから、帳尻を合せておかぬと、何を吼《ほ》え出すかわからん」 「この夏の二千両の内、八百....
胎内」より 著者:三好十郎
いんだ。食った奴も、あとでまた、弱ってしまやあ、ほかの奴から食われるんだからな。帳尻《ちょうじり》は合うんだ、永い目で見りゃ。だから、それでいいんだよ。なあ村子....